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病み注意
バトエン
これらが許せる方のみ本編へ!!
桃Side
水が、辞めたいと零した日から早3ヶ月、
水が賽を選んだのが今から3日ほど前。
その期間、水はもちろん赤や紫も精神的にくるものがあったらしく、大人組はそちらにかかりきりになっていた。
もう水が決心した後。
今青は俺の隣で泣いていた。
いや、正確には青が泣いているところに俺が押しかけたというのだろうか。
いつから悩んでいたのだろう。
彼は普段から泣くような人ではない。
何ヶ月自分の中で押し殺したのだろう。
「青さぁん?そろそろお話聞かせてほしいなぁ?」
猫のぬいぐるみを渡しながらそう言う。
「…お前が勝手にウチ来ただけやろwww」
涙で潤んだ声で反論してくる彼。
未だにその目からは涙が溢れている。
背中を撫でてあげるとこちらに寄りかかってしまった。
「あの、さぁ、水が賽辞める言うた時あったやん?」
うん、と相槌を打つ。
彼は俯いていて表情は分からない。
「…そん時、俺、辞めないでって言えんかったんだよね。あいつってさ、休学はしているけどまだ大学生やん?…今なら辞めても取り返しがつく年齢だから。」
取り返しがつく、つかないなんて話は現実的な彼らしかった。
「青は、後悔している?…今までの人生」
「後悔、なぁ。…現状には満足しているけど、やっぱ、ふとした瞬間にあの時あぁしてたら、とは思う。
取り返しがつかないからって、受験も就職もやってきた。でも、あいつなら取り返しがつくって、分かっているから、でも責任持つ勇気もなくって何も言えへんかった。」
彼の肩は震えていた。
「失格やなぁ、俺」
絞り出したような声で言う彼。
何が失格なのかは分からない。
…本当、変なところで不器用だよなぁ。
俺含めてメンバーの誰かが悩んでいたら真っ先に手を差し伸べてくれる“完璧”で“エリート”な姿を普段見せていて、自分の悩みは全部自分のなかで完結しようとする。
でも、大体消化不良でずっと溜まっていて、こうしてたまに爆発してはその度に体調不良を崩したり塞ぎ込んでしまったり。
俺の方に寄りかかった彼は少し熱かった。
「だいじょうぶだよ、」
そう声をかけて彼のことを抱きしめる。
# 箱 📦 ➰💕
23,402
349
青が少し落ち着いた頃、黒に「青の家きて」と送った。
青の言う事は現実的で理論的に筋は通っているからこそ否定しきってあげないことがある。
なんか、絶対違うなって思っても論理的に筋は通っていて、でもどこかズレていて。
彼なら思い通りの思考回路だって作り出せるはずなのに。
1回筋が通ってしまったネガティブな思考回路を手放せなくてずっと苦しんでいる彼は器用なようで不器用だった。
正しくない自分も愛せたら良いのにな、ふとそう思う。
黒から「看病道具持ってくな、それと子供組も連れて行く?」と返信があった。
俯いていてぼーとしている彼を見る。
その目には涙の膜が張っていた。
黒に「道具ありがと。子供組は今は来ないほうがいいかも」とすぐに「りょうかい」と送られてきた。
30分もしたらここに着くだろう。
彼の袖をそっと戻す。
いつもは医療用のテープかメイクかなにかで隠されている手首をみないふりをする。
きっと、ここに刻まれた線は彼の後悔の数なのだろうと思いながら。
「っ」
俺が袖を戻した時、跡が見えていたことに気づいたのか彼が息を呑む音がした。
そっと頭を撫でてあげると青はそのまま顔を体育座りした膝に埋める。
黒がドアを開けるまでこうしていた。
俺のこの行動があっていたか、なんて今となっては確信はない。
青の、彼の後悔の証を知っているメンバーはどれくらいいたのだろうか。
きっと、多分みんな気づいてはいた。
でも誰も何も言わない。
彼が新たに刻んでも、それを察しても、何も言わない。
世間では責められることだけれど。
みんな“正しく”あれていないから。
彼は“正しい”選択ができなかったことをあの日後悔していたけれど。
…俺が正しい選択をしていなかったから。
見誤っていたから。
深く黒色の光沢がないジャケットに袖を通す。
白檀の匂いが鼻腔を満たす。
彼のことを解ったつもりでいた。
ごめんな、そう心のなかで呟いて香炉の灰にそっと線香を沈めた。
2作品目です!
どうだったでしょうか……?
正しい、と“正しい”の意味は区別されているのでそれを意識しても読んでみてくださると嬉しいです!
短編だと救われるところまで書くの難しくて汗
はーと、こめんと、フォロー舞って喜びます!
今書き溜め放出中なのでしばらくはこのペースで投稿できる、はずです!
絡んでくれたりしたら嬉しいです!タメでも丁寧語でも◯です、よかったら仲良くしてください!
誤字はこめんとでご指摘お願いします!
また関西弁はエセです、関西弁に関しては大目に見ていただきたい!
コメント
1件
読ませてもらいました……。 青が「失格やなぁ」って絞り出したとこ、本当に胸が締め付けられた。普段は完璧な人ほど、自分のことだけはうまく処理できなくなるのが描かれていて……。 桃が袖を戻したときの空気感とか、みんな気づいてても触れないっていう距離感がすごくリアルだった。 正しいと“正しい”の違い、ちゃんと意識して読みます。短編だからこそ残る余韻、すごく好きです🖤