コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私がやられたあとの話をサクッとしよう。
私はミーシャにしっかりとやられたわけなんだが、その後タイミングよくイベント終了の合図が鳴ってイベントは無事終了した。結果だが、私もミーシャもランクインしたので無事賞金とオマケでサポート系のアイテムを一通り10個ずつ受け取ることとなる。そして日を改めてアルナさんに報告すると既に頼んでいた武器と防具を用意しており約束された金額を支払いこうして私らも無事に一人前の『渡る者』となれたのだった。
ちなみにアルナさんから受け取った試作品たちはそのままプレゼントって事で貰うことになった。コイツらはとんでもなく強いけどその分癖もあるしなによりMPを大きく消費するものばかりなのでメインで使うには適してない。なので作ってもらったミスリルの剣を基本扱うことにしてほか四種は私の必殺武器として運用することになった。
ミーシャは杖はまだ作れないらしいが、代わりに前に倒した蜘蛛の糸を使ったローブを貰っていた。耐久も勿論だが要望通りの魔法耐性が着いており大抵の初級魔法はほぼ効かないらしい。これで序盤はサクサク進めるだろう。そして色々話し合って私とミーシャは次の街に行くだけ行ってワープポイントを設定することを目的にこのゲームのストーリーを進めることにしたのだった。そして現在…。
「……なんでこの人達がいるんですかねぇ?」
「この前のイベントでフレンドになるって約束してフレンドになった後私らの予定を話したら自分らもストーリーを進めたいからと着いてきた。」
ミーシャの後ろからイベントで出会ったベルノとルーマが着いてきてひょこっと顔を出す。
「お邪魔…でしたか?」
「いやまぁ…そういう訳じゃないんだけど、こういう事は連絡して欲しかったなって話」
「ホウレンソウが出来ないんだな!クソ魔法使い!」
「うるさいぞクソガキ。」
そう言いながらベルノの後頭部をつかみ広場の噴水に顔をつけながら淡々と話す。
「フガフガ……!?」
「あーはいはいギブね?」
「………ップハッァァァア!!死ぬからね普通に!?虐待とかのレベルだからねこれ!?」
「おう悪かった悪かった。」
「なんだぁてめぇ?」
「とにかくこのメンツでストーリー進めるんでしょ?なら早く行くよ。」
「お二人はストーリーどのくらい進めてるんですか?」
「私らどっちも一切触ってないよ。イベントに向けてアレコレしてたからストーリーとかやってられなかったからね。」
「一応私達はストーリー序章のボスまではやってるのでそこまではサポート出来ますよ?」
「ならお言葉に甘えてそこまでのサポートを頼もうかな。」
その後序章という名のチュートリアルをサクッと終わらせて続く一章をそのまま始める。
「まずは酒場でマスターの話を聞くらしいな。」
「子供である私らが酒場なんて言っていいのか?」
「ゲームだから問題ないよベルノちゃん。」
「私らも歳でいえばギリ子供だからね。まぁ、酒はこっそり楽しんでるけど。」
「法を破ってるぞクソ魔法使い!」
「私らくらいの歳のやつは大抵飲んでるよ。」
「私は飲んでないが?」
「お前はその『大抵』に含まれなかった稀有な存在だよ。」
「ベルノちゃんはこんな人にならないようにするんだよ?」
「なるわけないじゃん。こんなダメな大人代表みたいなクソ魔法使いと同列とか嫌だし」
「こいつ縛るからプリン盾として使ってやれよ。剣士って一応盾も装備出来るんだろ?」
「発想が悪魔的なんだよお前!?」
そんな軽口を交わしながら酒場に入りストーリーイベント専用の人物に話しかける。
「あんた、もしかして『渡る者』なのか?」
語りかけてくるのは白髪で髪をかきあげ固めた中年の男性。
「この場合はシンプルに答えればいいの?」
「そ、選択肢とかはこのゲームない代わりにイベントスイッチをふむためのセリフはある程度緩く設定されてるんだ。」
「『はい』『いいえ』の二択なんだけど受け答え方は自由なんです。だから渡る者ですとそのまま伝えれば『はい』という判定を貰えますし、人違いですとかいえば『いいえ』に準ずるも喉と判断するんですよ。」
「なるほどね。それじゃあこれは普通に答えますか。『私が渡る者だとしたら?』と。」
「…そうか。なら一つ頼み事を聞いて欲しい。私はセコルトという街で商いをしていて少し前にこの街に商品を渡しに来たんだが、帰ろうと思ったら馬車が出てなくてな。理由を聞くとどうやらセコルトとファストリアを繋ぐ街道に魔物が湧いたらしくこの街の兵でも歯が立たなくて困ってたんだ。あんたらもセコルトに行く予定があるなら一つ頼まれてくれないか?」
「魔物退治って感じなのかな?」
「まぁ、そのくらいならいいでしょ。今の私らなら余裕だし。」
「いいよ。そのお願い引き受けてあげる。」
「おぉ!助かるよ渡る者よ!今の世の中も捨てたものではないな!」
「そういえばこの世界文明がほっとんど滅んだ終末世界なんだよね。」
「現代技術は全て失われて再び中世とかそういうレベルまで落ちた世界だからな。」
「この世界のヤツら生きにくいなぁ?」
「話す相手も高度なAIではあるのですが表情や仕草に声のトーンまでもリアルでVRとはよく言ったものですよね。」
「その没入感が売りだからな。」
「では、準備が出来たら再び私に声を掛けてくれ。馬車を用意し例の場所まで案内しよう。」
〜【一章 ファンタジアの希望】を開始します。〜
「おっ?これでストーリーが始まったのか。」
「まだ序盤も序盤なのでそれほど難しくないらしいですが、後半では既に結構なプレイスキルを要求されるみたいですよ。」
「なんかレベル制限とか武器も使えるもの縛られるんだよね?」
「レベルの暴力でどんどん先に進んで欲しくないんだとさ運営様は。」
「公式のSNSではまたイベントを開催予定で今回は高難度モンスターの討伐らしいのでこういったものにも積極的に参加してもらうためにあえて縛ってるんでしょうね。」
「まぁ私はこの手のゲームは初めてだから楽しくできてるよ。」
「んじゃ準備も何も万全な状態でここにいるのでそのままクエスト始めるぞ。」
クエストが始まり男性の後を追うと彼が馬車に乗りその荷台にプリン達も乗る。このまま目的地に着くまでは待つだけになるのだがこの間彼にいくつか質問ができた。
得た情報を軽く話すとファストリアとは違いセコルトは石材の街と言われるくらい石造建築が多く、またそれらを上手く加工するために魔法も使うため魔法の街とも言われているようだった。そしてセコルトはセコルトで別の問題を抱えていると聞かされた。恐らくこの章はそのセコルトの街の問題を解決する所までなんだろうなぁ…。
「ひまー。馬車移動楽しいけど動いてた方がもっと楽しいよぉ〜。」
「ベルノちゃんは動くの好きだもんねぇ。でもしばらくはじっとしてないとダメだからね。」
「ちぇ〜…。」
「そういえばこのゲームでセコルトに行けたプレイヤーって少ないんよね?」
「今はそれなりにいるがそれでもファストリアと比べれば少ないだろうな。」
「その理由って何?」
「その理由は今始めたこのイベントが初見殺しなんだよなぁ。」
「ふぇ?」
「渡る者よ!道の先に見えるか!?アレがセコルトとファストリアを塞ぐ魔物です!」
そう言われて荷台から顔を覗かせると見えたのはいつか見た熊が三匹道を塞いでいた。
「あーなるほど?これは確かに初見殺しだわな。」
「序盤なのにアレと戦うことになるからセコルトに行ける人が少ないんだとさ。」
「一匹ならともかく三匹は確かになってなるわ。」
「なんにせよようやく暴れてもいいのかァ!?」
「そうですね。サクサク倒してセコルトに行きましょうか。」
〜イベント戦【ファストリアとセコルトの街道を塞ぐ大熊狩り】※レベル制限20※〜
「ほぉ?最大でもレベル20までで三匹倒さないといけないわけね?」
「そうなると使える魔法やスキルも限定されまね。」
「私の銀狼もバンバン呼べないじゃん!」
「とはいえイベント戦だから体力は控えめになってるはず。私はひとりで倒したことあるからほか二匹みんな頼んだわ。」
「それじゃあベルノちゃん一緒にやろっか」
「魔法使いにタイマンを任せるやつがいるかぁ?」
「クソ魔法使いは生意気にも強いからいける。」
「一言余計だよクソガキ。」
「それじゃあ行くよ!」