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数日後…
事務所で作業をしている時、鰄郎さんが
話しかけてきた
「そういえば治くん、ビル爆破の件は
知ってるかい?」
…
「いえ、何も、初めて聞きました」
「…そうか」
鰄郎は、あの調査から数ヶ月が経ち、
真相を知るところまで迫っていた
その結果、とある組織が関わっている
ことが分かった
その組織の名前は「逆黒」
構成員は4人
どれも能力持ちで、あの猟奇事件に
関わりがある
「さて、本格的な行動へ移そうか」
数ヶ月前…
「助かったぞ、柳」
車の助手席の坂田が言った
「いえ、僕の能力はこういう時のため
のものなんで」
「お前は相変わらず謙虚だな」
「えぇ、この立場に立たせてもらっている
こと自体、ありがたいので」
「…時織治、本当に狡猾なやつだ」
「ですね、自身の弱点を生かし、
利用するということは、そう容易では
ありませんしね」
「そうだ、柳、空さんに今回の報告
をしといてくれ、俺は別の仕事がある」
目的地に到着した坂田は、険しい顔で
車から降りた
そして、廃墟ビルの2回へと足を
運んだ
「よぉ、随分落ちたな」
その言葉に、男は反応しなかった
「元逆黒のヴァットさん」
しばらくすると、ようやくヴァットが
口を開いた
「何の用だ…ドブ野郎」
「あら、随分言うな、習いたての日本語の
悪口を言いたくなったのか?」
ヴァットは、地面を力強く踏んだ
ドッ….
すると、そこから薄紫色の光が飛び出し、
この廃墟ビルを覆った
「お前は三天展郷抗争を知っているか」
ヴァットが、坂田を睨みながら
言った
「もちろん、知ってるよ、可能道力組織
、クロネア、逆黒の抗争だろ?」
「あの抗争の勝者は逆黒だった、あの
男が、逆黒を勝利に導いた」
「あと男…?」
「とんでもない狡猾さに、想像力を
兼ね備えた化け物、あの事件の加害者
でもある」
「…はは…まさか」
「ところで坂田…とやら」
「あ?、んだよ」
「俺と戦る気はないか?」
坂田は、不敵な笑みを浮かべ言い放った
「もちろん、殺す」
坂田は最大出力の螺旋針を80発
撃った
「速いな、やはりクロネアの幹部、
侮れないな」
ガガガガガガガ….
ヴァットは持ち前の超動体視力で
螺旋針を躱す、躱す、躱す
坂田は少年のように無邪気に笑った
「あんたみたいな異常者は他にいない」
ヴァットはついに、坂田の目の前までに
迫った
「あんたの能力は自分の有利な
状況を設定出来るフィールドだったなぁ
、だけどよ」
「なっ!」
「その外はどうする?」
坂田は、ヴァットの前から一瞬で消えた
「っ!、何処だ!!」
その瞬間、廃墟ビルを、追跡型小型ミサイル
が襲った
ドッッ!!!
「ぐぁっ!!」
ヴァットは2階から吹き飛ばされ、
地へと叩きつけられた
「ぁ…クソ…が」
「あらあらヴァットさん、すまんなぁ、
クロネアは卑怯なんだ」
「何が目的だ…」
「あぁ、それはあんたの始末だ
、あんたは逆黒の情報を持っている
からな、他人に利用されたら厄介だ」
「俺から情報は聞き出さねぇのかよ」
「お前、口の中に安楽死用の薬を
入れてるだろう、どっちみち聞き出せない
ことはわかってんだよ」
「そうかよ」
ヴァットは、薬を噛もうとした
その瞬間
「うがっ!!」
誰かがヴァットの口の中の薬を
奪い捨て、ヴァットを攫った
「ごめんねー坂田くーん」
「がぁっ!!クソッ!、鰄郎か!!」
逃げる鰄郎に、2発目の小型ミサイルが
飛ぶ
「ただの花火か」
ガンッ!!
鰄郎は、ミサイルの起爆部を避け、
蹴り上げた
強い衝撃を受けたミサイルは数秒後、
時間差で爆破した
「クソッ!逃げられた!!」
「はじめまして、ヴァットさん」
血なまぐさい拷問室で、鰄郎が
にこにこしながら言った
「…何故名を知っている」
「そりゃ知っているさ、元逆黒の幹部、
俺が見逃すはずがないだろう」
「さて、手始めに、三天展郷抗争について
、話してもらおうか」
鰄郎は、ゴム手袋を着用し、ゆっくり
とヴァットに近づく
「俺はどうせもうすぐ終わる身だ、
なんでも聞けよ」
「いいや、お前は可能道力組織が保護する」
「…お前バカか?、それは、逆黒と
対立することを意味してるんだぞ」
「いいさ、逆黒なんか屁でもない」
「あの抗争で、逆黒を勝利に導いた
少年は誰だ?」
「…時織治…だ」
「…検討はついていた、では、今の治君に
記憶が無いのは何故だ?」
「あぁ、それは、仲介組織のオーロラ
によってされた、高校生にはあまりにも
過酷すぎる、ということで、偽の家族
、偽の友達を与えた」
「そうかい、反吐が出る話だ」
鰄郎は、苦虫を噛み潰したような顔をした
「次の質問をする」
「まだあるのか?まぁ、いいが」
「なんだい、腹でも減ったか?」
「まぁ…」
「仕方がない、特別に俺がトンカツを
作ってやろう」
「なぁ、鰄郎、ひとつ、俺からも
質問がある」
「…なんだ?」