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りょん.
52,782
涼ちゃんの家の片付けがひと段落した帰り道。
夕方の街を、
若井と元貴は無言で歩いていた。
「……」
疲れていた。
身体じゃなくて、
心が。
どこを見ても涼ちゃんを思い出してしまう。
その時。
「あれ?」
不意に後ろから声がした。
2人が振り向く。
白衣の上にカーディガンを羽織った、中年くらいの男性。
「……?」
誰だ、と思った瞬間。
「あー、やっぱり藤澤くんの」
男性が少し安心したように笑う。
「お友達?」
「……えっと」
若井と元貴は顔を見合わせる。
すると男性は首を傾げながら、
「藤ちゃん最近どうです?」
って、当たり前みたいに聞いた。
「……っ」
2人の空気が止まる。
“藤ちゃん”
初めて聞いた
「……」
元貴がゆっくり口を開く。
「……もしかして」
「はい?」
「……涼ちゃんの、知り合いですか」
「あぁ」
男性は頷く。
「いつも来てくれてるから」
その瞬間、
若井と元貴の表情が変わる。
“来てくれてる”
“いつも”
つまり。
「……病院」
男性は少し不思議そうな顔をした。
「え?」
「……あいつ、ここ通ってたんですか」
「……?」
今度は男性が違和感を覚えたように2人を見る。
「……知らなかったんです?」
静かな声。
若井の喉が詰まる。
元貴も視線を落としたまま動かない。
「……」
その空気で、
男性の表情が少しずつ変わっていく。
「……藤ちゃん」
言いかけて止まる。
そして、
恐る恐る聞いた。
「……何か、あったんですか」
次回2000
コメント
6件
楽しみにしてます!

続きが気になり過ぎます…! 病院に通っていた時に仲良くなった先生…?でしょうか? この人にりょうちゃんは色々お話ししてたのでしょうか? 次希望です!!