呪物ショップの店主「ジレンマ」真の目的は 呪印の書 探し　最強、最悪の魔物へかけた呪いを完成するため

僕が凛子さんと出合ったのはあのLIVE配信から3日後だった。

毎日何かしら配信していた凛子さんのSNSの配信が止まり、僕の楽しみも失われてしまったんです。

廃村に行ってから何かあったんだと思い。僕は凛子さんがよく配信するスポットを夜な夜なめぐってました。

東京タワー、丸の内、渋谷、六本木、表参道など昼間は他の人に迷惑をかけてしまう可能性があるから、夜から深夜にかけて自転車で凛子さんの姿を探してました。

堂々巡りしてる間に初のLIVE配信の場所を思い出しました。

浅草の雷門の前が凛子さんの初LIVE配信場所でした。

スカイツリー方面から隅田川を渡ろうとしたときでした。

対岸から誰か僕に手招きしてるんです。僕はブレーキをかけ、周りを見渡したんですが僕以外誰の姿もなく。明らかに僕に手招きしていました。

僕は自転車を手押し、ゆっくりその人の方に向かいました。

「お前以外いないだろ、早くこっちへ来い」

金髪の20代くらいの女性が、見ず知らずの僕に罵声を浴びせこっちにこいと言ってました。僕は自分の体質の事もあるので立ち止まりこう言いました。

「あの僕に何かようでしょうか？訳あってあまり近くにいない方が貴方の為かと思います。」

「あぁ⁉️誰にもの言ってんだクソガキ」そう吐き捨てズカズカこっちに近寄ってきました。

あまりの威圧感で僕は尻込みしてしまい、動けなくなってしまったんです。

「お前面白いモノ憑けてるなぁ」

「なんなんですか？急に」

「とってやってもいいが、今はまだ早い」

「どういう事ですか？あなたは誰なんですか？」

「お前が浅草にいるのは意味がある、そいつが導くから、そいつに委ねろ」

そう言ってその人は立ち去ってしまいました。

「謎の金髪の美少女登場ですか。。。」ジレンマは勝手に美少女と解釈していた。

「まるで僕が凛子さんの事を探しているのを分かっていたような口振りでした。」

「それで逢えたのかい、凛子ちゃんと」

天気予報は雨の予報ではなかったが僕が雷門に近づくにつれ、小雨から土砂降りに変わっていった。

雨煙の先に雷門で雨宿りをするカップル、その横でタバコを吸い、しゃがみ込んでいる奇抜なファッションの女性がいた。

それは凛子さんだった。