テラーノベル
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ただ、ゆっくりペースのせいだろうか。
3時間は上り下りして歩いているのに、皆さん一向に疲れた感じはしない。
まあ、10分から20分に1回はドングリ拾いのため小休止しているような状況だけれども。
おかげで距離は全然稼げないが、収穫は大量。
各自、スーパーの買い物袋1袋くらいはキープしているのではないだろうか。
「さて、この次か次くらいの休憩で飯にするぞ」
先輩が宣言。
10分ほど歩いた先に、ちょうど広くなっているところがあった。
そこでザックを下ろし、レジャーシートを広げる。
「さて、メニューは簡単。まずはこれ」
僕のザックから重そうな巨大タッパーを出し、亜里砂さんへ。
「これをかき混ぜてくれ。大体でいいぞ。ただ、各自の食器に一通りのおかずが入る程度には頼むな」
匂いでわかる。
「ビリヤニですか」
「ああ。毎度お馴染みチキンビリヤニ。そして当然、ライタも作る」
先輩のザックからヨーグルト2パックが出てきた。
前と同じように香辛料を入れ、塩を振り、ニンニクチューブを入れて混ぜて。
「お、結構銀杏が入っているのだ」
かき混ぜ担当の亜里砂さんがそんな事を言う。
「あれはこの前の銀杏ですか」
「ああ。美味しそうだから入れてみた。本当はドングリも、間に合えば入れてみたかったけれどさ」
そんな訳で、ヨーグルトとビリヤニを各自の食器によそえば完成。
いただきますと一応唱和して、食べ始める。
「うわ、カレー以上に色々な香りが口の中を通るのだ」
「本場のカレーはこんなものさ。ちょい癖があるけれど、大丈夫かい」
「文句なく美味しいのだ。そうか、今朝女子寮で早朝匂っていた香りはこれだったのだ」
また寮の環境汚染をしたらしい。
先輩が苦笑している。
「今回は自分の部屋で作ったんだけれどさ。やはり匂いが漏れていたか」
「悪い香りじゃないから問題ないのだ」
食べるのは久しぶりだけれど、やっぱり美味しい。
炊き込み御飯とカレーの中間だけれど、もっと奥深い違う料理。
それに、塩味のヨーグルトがよく合う。
ただ以前これを真似して作ってみたことがあったけれど、うまくできなかった。
どうしてもあの香りが出ないのだ。
単なるカレー風味の混ぜ御飯になってしまう。
一応、ネットのレシピなども見て研究したのだけれども。
やっぱりこれは川俣先輩に任せるのが正しいようだ。
「それにしても、野外活動の課外だと聞いたけれど、随分と色々食に拘っている気がするのだ。このビリヤニもそうだが、前にちょっといただいた海産物色々もそうなのだ。下手すると料理研究会より、いい物を食べているような気がするのだ」
「野外で美味しい物を食べるのも野外活動だし、野外で採取した物を美味しく調理するのも野外活動だからさ。ただ、真冬になると流石に野外での食べ物採取も難しいけれどさ。それでも、大雪の中テントを張って、中で皆で鍋を食べるなんてするけどさ。寒いけれど、あれもなかなか楽しいぞ」
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