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美味しい飯を食べて、ちょっとまったりしたら。
「さて、そろそろまた採取の旅に出るぞ」
という事で出発だ。
もう目がドングリ探しに慣れてきたので、どんどん見つかるし拾っていく。
元々あまり疲れていなかったのが、今の食事タイムで完全回復、という感じだし。
そんな訳で5~6人がいた山頂も通り過ぎ、そして下り道に入る。
やっぱりドングリはしっかり落ちているので、休む間もなく採っていく。
ちょっと藪っぽい状態がハイキングルートにかかった感じの場所で、先輩がぴたっと足を止めた。
「いいもの発見だ。上を見ろ!」
そう言われても分からない。
何か、藪っぽいつるっぽい感じで。
でも未亜さんは気づいたようだ。
「あけびなのです。気づかなかったです」
「そう。ただ、ちょっと私の身長でも辛い感じだ。そんな訳でチームプレー行くぞ。未亜、肩車で上。とにかく枝かつるのどこかを掴んで下に引っ張ってくれ。引っ張ったつるを悠がつかんで、さらに引っ張れば、多分届く」
3人プラス美洋さんや亜里砂さんも枝を引っ張った結果、
ちょっと肉厚な紫色っぽい実が3つほど手に入った。
「これがアケビですか」
先輩がウエストポーチからウェットティッシュを出す。
「これで手を拭いて、その種の処を少しずつ食べてみな。種そのものは食べられないけれど、周りの透明っぽいところ」
皆で手を拭いて、少しずつ賞味させていただく。
「お、甘い!」
「種は吐き出せよ。スイカの種の要領でさ」
量がないので、あっという間に中身はなくなる。
「この皮部分はどうするのだ?」
「それはそれで料理に使えるから、持って帰る」
先輩がそう言ってビニル袋に入れた。
「こういう明るくて『茂っているぞ』って感じの場所によくあるからさ。さっきから注意して上を見ていたんだ。どうせ下は皆見ているしさ」
これが経験の差というやつなのだろう。
「さて、行くぞ。まだマテバシイは採っていないしさ」
そんな訳で、また僕達はあちこちを探しながら歩き始める。
上を見るようになったせいか、ペースがさらに遅くなったような……
でも楽しいから、まあいいか。