全部読んでくれた方も、そうでない方もはじめましてのありがとうございます。
どうも不思議を残して終わりたい性格が出ちゃってる作品となりました。
とはいえタイトルと本編の説明くらいはしておくべきかなと思いましたので、こちらにネタバレとして掲載します。
まずはタイトルの「ようこそ異世界難民救済センターへ!」ですね。
本編でトモコが口にしたセリフで、澱みなく言ったセリフでもあります。
アツシはホームレスなトモコに誘われて異世界へと足を踏み込みました。
アツシにとっては異世界なんです。日本でも地球でもなく。
けどトモコにとっては? トモコはそこから学校に通ってるんですね。「家にきて」と誘ってることから、アツシにとっての異世界がトモコの家なんです。
その上で、トモコは異世界らしきところを「異世界難民救済センター」と呼んでいたのですね。
さて、そこはただ単純に異世界と呼べるのでしょうか。実際の所、異世界と定義して、そのうえで異世界難民救済センターという施設である、というのが回答となります。
さらには、そこで救済された難民というのはアツシなんですね。現代日本で退屈して異世界に行きたいなんて願ってるアツシを難民として救済したかったわけですね、トモコは。
じゃあトモコはそれでどうなるのかって言うと、トモコ自身も難民なのですね。別の異世界の。救済されたい立場でもある難民。
そして行きたい異世界が剣も魔法もないような世界。アツシのいた環境。
じゃあアツシの前に姿を現した時点で達成されていたかというと違います。本編では全く出てない要素で申し訳ないですが、トモコはアツシを乗っ取ることで、この世界の身体を手に入れてやっと生きていける。
その条件がトモコの用意した世界を攻略させること、です。だから、最初の丘から見渡した世界「だけ」の空間を、ゴールに設定された魔王を倒した結果、アツシは異世界難民救済センターに押し込められ、その存在に取って代わったのがトモコ。住む家も思い出も名前も戸籍もアツシになりかわった「わたし」。
アツシは新たに設定された条件を手に誰かを引き込まなければならなくなりました。それはアツシのいた現代日本なのか、それとも他の異世界なのかはわかりません。
せっかくトモコに告白めいたことを言ったのに報われませんね。
元からトモコにとっては救済の条件でありコマでしかなかったアツシ。
トモコの目にした素養が何かというのはトモコのみぞ知るもの。よく読んでる本が異世界もので、そういった願望を知られちゃったから。なんであれアツシが興味を持って話しかけてきたのをきっかけに引き摺り込んで、トモコの用意した舞台でアツシが喜ぶように反応しておだてて、なんなら裏で設定も修正したりしてね。
そして魔王を倒すと言って扉をくぐったとき、トモコは感謝して、達成したときもまた感謝し、別れを告げました。
後日談なんて考えずに、そういうお話なのねと思ってくださると嬉しいです。アツシのその後はきっとどうにかやって幸せをつかむか、元の世界を求めて橋の下に段ボールハウスを再び出現させたか。それはまた別のお話。
では長くなった解説もここまで。
ありがとうございました。
コメント
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フォローしました!とてもおもしろかったです!ヾ(≧∇≦)