テラーノベル
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11月3日火曜日、朝8時30分。
試食用のドングリやクルミは、月曜から水に漬けたものを拭いて出しておく。
こうやって水を含ませておくと、煎った後に殻が割れやすい。
クッキー生地は大きいクーラーボックスに準備してあって、出して切って伸ばして焼くだけ。
説明パネルは入口の少し先から、順に壁際を回って見るように配置済み。
午前9時からの開始に向け、準備は全て整った。
今回の野遊び部こと野外活動部の主な出し物は、
○ パネルによる、春・夏・秋の食べられる野草や採取物の説明
○ ドングリクッキー、炒りたてミックスナッツ試食コーナー
(自家製野草茶の試飲もあり)
○ 自分で挑戦、ドングリとクルミを煎って割って食べてみよう
○ このドングリは食べられるか? 自分で選んで煎って食べて確認
ドングリクッキーとミックスナッツは、毎時10分に炒り上がり。
実践コーナーはいつでもOKで、説明員1人が必ずつく。
こんな感じだ。
小さい学校だし、地元からの人が多い訳でもない。
学校そのものも、人里から少し入った谷の中。
だから相手は中等部の生徒がメイン。
それでも全員で200人ちょっとなので、実際のお客さんは何人来てくれるか。
正直なところ、僕はあまり過大な期待はしていなかった。
試食用も最悪仲間内で食べればいいか、位に。
美洋さんが張り切って大量に生地を作ったり、ミックスナッツ用の剥いたものも多めに用意したけれども。
最初の10時までは全員配置で、あとは2人ずつ、1時間交替で休憩。
休憩時に、他の展示物を見てくるスタイルだ。
一応おそろいで作ったエプロンを付けて。
9時ちょうどにやってきたのは、1年生女子5人組。
亜里砂さんと美洋さんの友達らしい。
「試食を頂きに参りました!」
「ベジョータのやる事だから、食べものはしっかり用意してあるだろうと思って」
一気に賑やかになった。
時間よりやや早いけれど、クッキーを焼き始め、ミックスナッツも炒り始める。
「何せ、その辺で落ちているドングリ。なので、過剰な期待はしないで欲しいのだ」
そう言いながら亜里砂さんが、まずは煎り終わったミックスナッツ(クルミ、スダジイ、マテバシイ)を、紙を小さく折って作ったコップに入れて出す。
「どれどれ。うん、この小さいのは美味しいかな」
「大きいのは大味だねえ。この変な形のは?」
「それがクルミ。一番美味しいと思うのだ」
「あ、確かに。これは本物って感じの味だわ」
そんな感じで話していると、次の客が入ってくる。
これは、バッチからして2年生かな。
未亜さんがささっと、焼いているクッキーを追加。
更にミックスナッツ第2弾を煎り始める。
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