コメント
10件
【口直しの味】息抜き作品
※再び) 小湊奏×小湊圭一
小湊奏→「」 小湊圭一→『』
※転生・喰類パロ(今世の兄は両手はあるものの、前世の記憶があるためすることは変わりありません)
※捕食表現・エッ表現アリ
※二次創作です、え?前回?知らんな(((((殴
路地裏に充満する鉄のような匂い、何かを裂くような鈍い音
そして、口周りを血で汚した兄がいる
「またこんな所で食べてるんですか、」
俺は特に何とも思わず声をかける
『ここだと足がつきにくいからね〜』
そう云い、反るように振り返る兄の顔は、喜色を隠そうともしない真っ赤に染まった笑顔
「またこんなに汚して、私の気持ちも考えてほしいですねぇ」
『ごめんごめん〜、でも嫌じゃないでしょ?』
そういい俺の首に手を回してくる兄
「じっとしててくださいね、拭き取りますから」
『うん♡』
俺は当然のように血のついた兄の口を舐める、今日は若い女なのか…でもなぁ、
「不味い、この女。不健康なんじゃないですか??よく喰えましたね?」
そう云うと兄はへらへらと笑いながら答えた
『だよね〜僕もそう思った〜笑』
なら何で喰うんだよ…心でそうツッコむと、急に兄貴が俺の身体をさわりこう云った
『僕〜…口直し、したいな』
俺の口に柔らかい物が入ってきた
『やっぱり僕、奏の味が一番好き♡』
「物好きですよね、兄さんは」
せめて次は、もっといいものが喰べたいものだと思うが
何やかんや、俺も兄の味が一番好きだ
兄の味は、どこか甘い。例えてみれば花の蜜を舐めているような感覚だ
『ねぇもう一回いいかな?』
「仕方ないですね…」
この特権は俺だけのものだ、兄の味を知っていいのは俺だけで充分だから
俺が兄の味を知ったのは、恐らくあの日だろう
『あぁ…ヤバいな、血、出過ぎた…』
「ですね…とりあえず、路地に隠れましょう…」
その日、俺たちは珍しく戦いに苦戦した。兄も俺もともに深傷を負いながら、命からがら逃げた。
『血が足りないや…また、死んじゃいそうだよ』
へらへらしてる割に体は正直、力が入らず立つことも難しい兄は、真っ青な顔になっていた
「近くに人間が居たら、何とかなるんですがね…」
回復のためにも血は必要、でもこんな所に人間は居ない…
そんな時に思いついたのが____
「仕方ない…兄さん、少し不味いかもしれませんが、我慢してくださいね…」
『ん…え…?』
俺はそう云い、兄に口付けた
『んぐっ…ん…ふぅ……』ヂュッヂュクッ
俺の血が兄の中に流れていくのが分かる、口が離れると、赤い血の糸が引ける
『ハァ、ハァ…かな、で?…何で急に、』
「これしか、私にはできませんから…」
そのお返しにと、兄も俺に同様のことをする__
『奏も、血が足りてないくせに…』
「え、_____」
再び兄の口が、俺の口と重なる
あのこともあってから、俺の味覚が変わった…気がする
…獲物は若い男だった、味は悪くは無かった。ただ、
「(なんか、味気ないな…)」
そう思い、兄を見つめる。同じことを感じたのか互いに目が合う
『…あんまり美味しくないね〜笑』
その目はとても穏やかで、とても優しかった。
「口直しでもいります?」
『口直しって?』
自分の指を指すと、笑顔を浮かべて、また
俺を喰べるんだよね