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——数日後。
珍しく、愛空と樹里、2人きり。
蓮は遅れるらしい。
愛空「遅いね蓮くん」
樹里「そうだね」
愛空「まあいっか」(ソファに寝転ぶ)
樹里「ふふ、自由だね」
愛空「ウチ基本自由だよ」
樹里「羨ましいな」
愛空「そう?」
樹里「……うん」
――少しの沈黙。
愛空は天井を見たまま、ぽつりと。
愛空「ウチさ…」
樹里「うん?」
愛空「…気分、変になる時あるんだよね」
樹里「……」(静かに聞く)
愛空「元気な時はめっちゃ元気なんだけど」
愛空「急に、何もしたくなくなるっていうか…」
愛空「全部どうでもよくなるっていうか…」
樹里「……」
愛空「…笑えなくなる」(小さく)
――空気が少し変わる。
樹里さんは、否定もしないし、慰めもしない。
ただ、ちゃんと見ていた。
樹里「……そっか、…気分障害…だよね…?」(静かに)
愛空「うん」
樹里「それ、つらいね」
愛空「……別に」(目を逸らす)
樹里「別にじゃないでしょ…?」
愛空「……」
樹里「ちゃんとつらいよ、それは」
――その言葉に。
少しだけ、胸が詰まる。
愛空「……樹里さんってさ」
樹里「なに?」
愛空「いい人だよね」
樹里「それ、褒めてる?」
愛空「うん」
樹里「そっか」(少し笑う)
愛空「ウチ、樹里さん好きだよ」
樹里「……軽いわね」
愛空「本気だよ」
樹里「……ありがと」(少しだけ優しい顔)
――その時。 ドアが開く音。
蓮「…すみません、遅れました」(少し息を切らす)
オシャレで高そうなスーツを着て、髪の毛もオールバックだった
愛空「遅い」
蓮「ごめんね」(優しく笑う)
樹里「蓮くん、珍しいね…服とか…その姿」
蓮「ちょっと仕事がね」
愛空「じゃあ罰としてなんか奢って」
蓮「えぇ…」(困った顔)
樹里「ふふ」
――笑ってるのに。
愛空の中で、何かが少しだけ揺れた。
(この人たち、なんかいいな) (でもーー)
ふと、視界に入る高良。
いつも通り、少し離れた場所に立っている。
愛空「……」(無意識に見る)
高良「……?」(視線に気づく)
愛空「…?!…なんでもない…笑」(すぐ逸らす)
――この距離は、変わらない。でも。
(なんでちょっと、苦しいんだろ)