テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夏祭りから数日後。
ぼくたちは再び集合していた。
今日の目的地は海でもお祭りでもない。
キャンプ場だ。
「おはよ~!」
ぼくが手を振ると、
「けちちー!」
あっきぃが元気よく駆け寄ってきた。
「今日は遅刻してないんだね。」
「当たり前やろ!」
胸を張るあっきぃ。
すると、
「時間ギリギリやったけどな。」
まぜちがぼそっと言った。
「あ。」
「ギリギリじゃん。」
みんなが笑う。
電車とバスを乗り継ぎ、数時間後。
ようやくキャンプ場へ到着した。
「うわぁぁぁ!」
思わず声が漏れる。
周りは緑でいっぱいだった。
大きな木々。
透き通った川。
どこからか鳥の鳴き声も聞こえる。
「すごいにょ~!」
ちぐも目を輝かせていた。
「めっちゃ自然やん!」
ぷりちゃんも嬉しそうだ。
その時。
まぜちが辺りを見回した。
「なぁ。」
「ん?」
「虫、いる?」
一瞬静かになる。
「そりゃおるやろ。」
あっちゃんが答えた。
「キャンプ場やし。」
「ですよねぇ……。」
まぜちの顔が少し曇った。
ぼくは思わず笑う。
受付を済ませたあと、
ぼくたちはキャンプサイトへ向かった。
そこにはテントを張るための広いスペースがあった。
「あったー!」
あっきぃが走り出す。
「転ぶなよ~!」
ぼくが声をかける。
「大丈夫!」
そう言った直後。
ずるっ。
「あ。」
どさっ。
見事に転んだ。
「大丈夫かよ。」
まぜちが呆れる。
「あっきぃらしいにょ。」
ちぐも苦笑していた。
しばらくして。
いよいよテント設営が始まった。
「説明書ある?」
「これや。」
あっちゃんが取り出す。
しかし。
五分後。
「わからん。」
「わからん。」
「わからん。」
三人が同時に言った。
「なんで!?」
ぼくは思わずツッコんだ。
「日本語なのに。」
「その日本語が難しい。」
ぷりちゃんが真顔で答える。
すると、
「貸して。」
ちぐが説明書を受け取った。
数秒後。
「あー、こういうことにょ。」
「え?」
「ここを先に通すんだよ。」
「あ。」
全員が納得した。
「ちぐちゃん先生!」
あっきぃが拍手する。
「先生じゃないにょ。」
そう言いつつ、ちょっと嬉しそうだった。
テントが完成した頃には、
空は少しずつ夕方の色に変わり始めていた。
「できたぁー!」
ぼくは完成したテントを見上げる。
達成感でいっぱいだった。
その時。
ぶーん……
小さな羽音が聞こえた。
まぜちが固まる。
「……。」
「まぜち?」
「今、飛んだ。」
「え?」
「虫。」
沈黙。
そして。
「ぎゃあああああああ!!!」
キャンプ場にまぜちの叫び声が響き渡った。
「まだ始まったばっかりなのに!」
ぼくは笑いながら言う。
どうやら、
このキャンプも平和には終わりそうになかった。
コメント
1件
わあ、キャンプ編始まりましたね!もうみんなのやり取りを見てるだけでこっちまで楽しくなってきます。特にテント設営で「わからん」を三人同時に唱和するところ、めっちゃ笑いました(笑)。ちぐちゃんがスッと説明書読めるのも頼もしいし、まぜちの虫嫌い炸裂シーンも含めて「ああ、このメンバーだなあ」って安心感があります。次、どんな騒動が待ってるのか楽しみにしてますね!
わっしょいカンパニー社長 熾盗
777
ご主人
997
14,536
ゆも
34