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桜ヶ丘高校に、新たな転校生がやってきた。
その名は——空木(うつぎ)ハルト。
第一声が衝撃的だった。
「皆さん! 僕は昨日まで宇宙人に誘拐されていました!」
教室は一瞬の静寂の後、爆笑に包まれる。
担任だけが真顔で「遅刻しないように」と淡々と注意した。
ハルトが案内されたのは、生徒会室。
そこには個性が爆発した面々が待っていた。
白鳥 ミナ:会長。完璧超人だが、極度の方向音痴。
鬼塚 ゴロー:副会長。元プロレスラー志望。机を叩くたびに机が悲鳴を上げる。
猫田 ニャル子:書記。猫耳カチューシャが外せない。
「新入り、君にはお笑い強化委員に入ってもらう!」
「そんな委員会あったっけ!?」
ハルトの抗議は、ゴローの豪快な笑い声にかき消された。
学園祭の目玉企画は「最強屋台決定戦」。
生徒会は“謎のドリンクバー”を出店するが、
猫田が調合した青色のドリンクを飲んだ客は全員ネコ語しか話せなくなる。
「ニャーニャー言ってる場合じゃない!」
「会長、売上伸びてますよ! なぜか人気です!」
混沌が混沌を呼び、ハルトは猫耳をつけられたまま屋台の呼び込みを続けた。
学園祭の翌週は期末テスト。
だが生徒会メンバーは勉強よりもカンニング禁止ギャグ大会に全力を注ぐ。
試験監督の目を欺くため、ゴローは頭に辞書を積み、
猫田は答案用紙を折り紙にして隠そうとする。
「いや、普通に勉強しようよ!」
ハルトのツッコミが教室に響くが、誰も耳を貸さない。
学期末の大掃除。
掃除用具を持った瞬間、ミナ会長が宣言する。
「どうせなら校舎をピカピカにして鏡張りにしましょう!」
結果、生徒会は夜までモップダンスを踊り続け、
床はピカピカ、全員は筋肉痛。
数々の騒動を経て、ハルトは気づく。
桜ヶ丘高校は確かにバカ騒ぎばかりだ。
でも——
「ここには、退屈って言葉がない」
窓から差し込む夕日を背に、生徒会メンバーが全員そろってポーズを決めた。
「次のイベントは宇宙旅行よ!」
「会長、まだ猫語直ってないですよ!」
笑い声が校舎に響き渡り、今日も桜ヶ丘高校は平和で大騒ぎだった。