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朝9時。
僕は先に図書館の受付に行って、部屋を借りる。
部屋番号をスマホで連絡して、そして2階へ。
鍵を開けて少ししたら、女性陣一同がやってきた。
先輩は保温鍋を両手で抱えている。
「悪いな、先に開けておいてもらって。おかゆは熱いうちに食べないとまずくなるから」
そんな訳で、お粥の鍋を中心に置いて、あとは各自のおかずを並べる。
先輩がお粥を各自の食器によそう。
白い粥の上に七草を合わせて、軽く混ぜれば完成だ。
「お粥は基本の味なし白粥に、薄い塩味をつけた七草を入れた状態だ。さて、各自持ってきたおかずの紹介。
私が持ってきたのはこれ。アジの干物を焼いてほぐした奴だ。小骨が残っていたらごめんな」
「確かに、さっぱりしたお粥に合いそうですね」
うんうん、僕もそう思う。
日本風だし。
「座っている順からすると、次は私ですね。肉味噌を作ってみました」
美洋さんは肉味噌か。
「確かに、これも美味しそうなのだ。肉が粗挽きなのもいい感じなのだ」
うんうん、その通り。
「私は椎茸と厚揚げの煮物なのです」
「何か、正しいおかずという感じだね」
和風だし、確かに正しいかな。
揚げが入っているところが、未亜さんらしい。
さて、次は僕か。
「僕は2品。味玉と、シメジと卵の中華風炒めです」
「変化球で来たな、これは」
先輩がにやりとする。
「中華粥などを参考に、あえてそっちの路線にしたんだろう。それもありだな」
その辺を参考にした事が、ばればれの様だ。
「私は茹で鶏のほぐし身。軽い塩味だよ」
彩香さんは、シンプルに茹でた鶏もも肉をほぐしたもの。
「これも合うと思うのだ」
「確かに、合わせるとまた粥の味が変わって、いいと思うのです」
そして亜里砂さんが出したのは、何と粗挽きソーセージ。
「粗挽きソーセージをボイルしたのだ。邪道だけれど、合うと思うのだ」
確かに。
「その方向性は考えつかなかったけれど、確かにありかもしれないな」
「同意なのです」
未亜さんも頷く。
「じゃ、皆でいただくとするか。いただきます」
「いただきます」
そんな訳で、実食開始。
まずは、そのまま食べてみる。
七草の香りが結構して、いかにも胃に優しい感じだ。
まず合わせるとしたら、未亜さんの煮物かな。
ちょっと甘めの揚げや椎茸が、いい感じにプラスされる。
次は、アジのほぐし身をのせて。
いかにも和風な感じで、なかなかよろしい。
皆さんも、色々試して食べている。
「お粥がシンプルだから、合わせる物によって、随分感じが変わりますね」
「悔しいけれど、ソーセージ、美味しいのですよ。一気にジャンクな感じになってしまうのですが」
「味玉と卵炒めをのせて、更に鶏肉をのせると、気分は中華粥だよな」
「肉味噌をちょっと溶くと、その部分だけまた別の感じで美味いのだ」
「それにしても、私を含め、微妙に肉系のおかずが多いような気がします」
「七草と粥のイメージだから、肉成分が欲しいような気がしたんだよね」
そんなこんな話しながら、持ち寄ったおかずも含めて、皆で完食。
「七草がゆの本来の目的からはだいぶ外れたけれど、美味しかったのです」
「確かにそうだね」
うん、美味しかったな、と僕も思った時。
未亜さんが、にやりと笑って口を開く。
「さて、美味しい話はここまで。1月は後半からテストが集中するのです。成績を決める期末テストも、クラス替えテストも、業者テストまであるのです。そんな訳で、取り敢えず1月の勉強特訓計画を……」
「あああああ、朝から勘弁して欲しいのだ……」
こんな感じで、僕らの冬休みは幕を閉じたのだった。