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那月
63,993
だら
19
352
朝9時。
僕は先に図書館の受付に行って、部屋を借りる。
部屋番号をスマホで連絡して、そして2階へ。
鍵を開けて少ししたら、女性陣一同がやってきた。
先輩は保温鍋を両手で抱えている。
「悪いな、先に開けておいてもらって。おかゆは熱いうちに食べないとまずくなるから」
そんな訳で、お粥の鍋を中心に置いて、あとは各自のおかずを並べる。
先輩がお粥を各自の食器によそう。
白い粥の上に七草を合わせて、軽く混ぜれば完成だ。
「お粥は基本の味なし白粥に、薄い塩味をつけた七草を入れた状態だ。さて、各自持ってきたおかずの紹介。
私が持ってきたのはこれ。アジの干物を焼いてほぐした奴だ。小骨が残っていたらごめんな」
「確かに、さっぱりしたお粥に合いそうですね」
うんうん、僕もそう思う。
日本風だし。
「座っている順からすると、次は私ですね。肉味噌を作ってみました」
美洋さんは肉味噌か。
「確かに、これも美味しそうなのだ。肉が粗挽きなのもいい感じなのだ」
うんうん、その通り。
「私は椎茸と厚揚げの煮物なのです」
「何か、正しいおかずという感じだね」
和風だし、確かに正しいかな。
揚げが入っているところが、未亜さんらしい。
さて、次は僕か。
「僕は2品。味玉と、シメジと卵の中華風炒めです」
「変化球で来たな、これは」
先輩がにやりとする。
「中華粥などを参考に、あえてそっちの路線にしたんだろう。それもありだな」
その辺を参考にした事が、ばればれの様だ。
「私は茹で鶏のほぐし身。軽い塩味だよ」
彩香さんは、シンプルに茹でた鶏もも肉をほぐしたもの。
「これも合うと思うのだ」
「確かに、合わせるとまた粥の味が変わって、いいと思うのです」
そして亜里砂さんが出したのは、何と粗挽きソーセージ。
「粗挽きソーセージをボイルしたのだ。邪道だけれど、合うと思うのだ」
確かに。
「その方向性は考えつかなかったけれど、確かにありかもしれないな」
「同意なのです」
未亜さんも頷く。
「じゃ、皆でいただくとするか。いただきます」
「いただきます」
そんな訳で、実食開始。
まずは、そのまま食べてみる。
七草の香りが結構して、いかにも胃に優しい感じだ。
まず合わせるとしたら、未亜さんの煮物かな。
ちょっと甘めの揚げや椎茸が、いい感じにプラスされる。
次は、アジのほぐし身をのせて。
いかにも和風な感じで、なかなかよろしい。
皆さんも、色々試して食べている。
「お粥がシンプルだから、合わせる物によって、随分感じが変わりますね」
「悔しいけれど、ソーセージ、美味しいのですよ。一気にジャンクな感じになってしまうのですが」
「味玉と卵炒めをのせて、更に鶏肉をのせると、気分は中華粥だよな」
「肉味噌をちょっと溶くと、その部分だけまた別の感じで美味いのだ」
「それにしても、私を含め、微妙に肉系のおかずが多いような気がします」
「七草と粥のイメージだから、肉成分が欲しいような気がしたんだよね」
そんなこんな話しながら、持ち寄ったおかずも含めて、皆で完食。
「七草がゆの本来の目的からはだいぶ外れたけれど、美味しかったのです」
「確かにそうだね」
うん、美味しかったな、と僕も思った時。
未亜さんが、にやりと笑って口を開く。
「さて、美味しい話はここまで。1月は後半からテストが集中するのです。成績を決める期末テストも、クラス替えテストも、業者テストまであるのです。そんな訳で、取り敢えず1月の勉強特訓計画を……」
「あああああ、朝から勘弁して欲しいのだ……」
こんな感じで、僕らの冬休みは幕を閉じたのだった。
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