長いテーブル。テーブルに置かれた香り高いお茶。キラキラのフリル。色とりどりの花。そして、主役の令嬢達。さあ!お茶会の始まりだ!
って、意気込んだのはいいものの。実際やることないんだよね。だってボッチだし。今、私は長いテーブルの一番端の方に座っている。ちなみに、アリシアナさんは「ここに座っててね。」と、言って、どっかに行ってしまった。で、唐突の!ユフェルナファッションショーの始まり始まり!ドンドンパフパフー!さーてさて!今回の私のお洋服は、シンプルな深緑色の生地に、胸の方には申し訳程度の、リボン!そんなシンプルイザベストなドレスです!以上でした!……でも良いのだよ。私のような淑女(笑)が着てるんだから普通に……うん、まあダサいけど。如何にも時代遅れって、感じだけど。しかも、私の髪と目の色と全然似合ってないけど。い、いいしー!べ、べべべ、べっつにぃー?おいこら、ふざけんじゃねーぞ、なーんて、思ってないしー??………はい、白状します。この服やだ。ダサい。誰だ?こんな服を選んだのは!?あ、私のお母様でしたか、そうですか!
「あ、あのぉ。」
可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。私に?いやいや、無いでしょ。私はそっと声の聞こえた方向を向く。その瞬間、私は思わず叫びそうになった。いい意味でね。それも、そのはず。この世にこれだけ可愛い子が居るのか!?いや居ねーよ!って、コントを脳内で繰り広げるぐらいにその子は可愛かったのだ。薄い金髪に、青緑の大きな瞳。その金髪を一つに三編みしている。そして、何よりそのドレス!これまた水色ベースの生地に落ち着いた銀色の花を散りばめている。圧倒的格差。うん、知ってた。私何かが着れるわけないよね。まず、それ私に似合わんし。
「…………あの?」
「……………………」
え、私?何々、何か私した?否!してない!断じてしてない!ええっと、ここは、「どうかしました?」だ。よ、よーし、言うぞ!さん、にー、いち!せーので!
「どうかしました?」
よし、言えた。この必要最低限の事しか喋らん私が今日だけで他人に2回も話したぞ。別にコミュ障って、わけじゃないけど。
「あ、占いをしてみませんか?」
ん?占い?何故急に?辺りを見渡すとほぼ大半が水晶のようなものをジッと見つめていた。なにしてんの。それ、面白い?ここには、七人ぐらい居てその五人が水晶を眺めているのだ。何とシュールな光景。シュールと言うか、なんと言うか、思ってたんと、違う。でも、例外として私の目の前に居る眼鏡っ娘だけは杖を付きながら本を読んでいるけど。え、今お茶会何だけど。ま、そうゆう私もぽけーと、お茶飲んでたんだけどね。周り何て正面しか見えんから気付かんかったわ。
「いえ、けっこうです。」
君らさ、精々3、4歳でしょ。そういうの、早いって。レンアイ?ナニソレオイシーノ?
「えー、やってみたらいいじゃない!」
向こう側に居た赤髪の幼女が耳元でギャーギャー騒ぐ。だーかーら!幼女にはまだ早いって!あれか?黒歴史を作りましょう団体か!?
「わかりました。」
しょーがねーなー!やってやろーじゃ、ねーか、こんつくしょー!女は度胸だ!私はそっと、水晶に触れる。
「………銀ね。」
「………銀色だね。綺麗。でも、何で銀色なのかな?」
銀。綺麗な銀。水晶が銀色に輝く。え、これって、占いじゃなかったけ。何か、もっとこう、凄いのかと思ってた。
「シャルレラは確か黒だったよね。で、私は薄茶。んで、パトリシアは紺。で、メリエーゼが、赤茶。スターシャが金。フィアリナも薄茶。うーん、これって、どーゆーこと?」
「分かりませんわ。」
「ふむ…。検討中も付きません。」
「んー、そーね。………チラリ」
知らん。そんな顔してこっち見たって分かりゃあ、せんで。暫く赤髪少女と私が見つめあい(睨み合い)っていると、慌てたように美少女ちゃんが仲裁に入る。
「協力してくれて、ありがとうね。ほら、カルティア!迷惑かけたら駄目だよ!」
「め、迷惑何てかけてないって!も、もー!いいもん!」
ふん!と、カルティアは外方を向く。まあ、良かった。ほれほれ、さっさとどっかいきんさーい!おしーり、ぺーんぺん。そうこうしていた間に、ドアが開き女の人が入ってきた。
「会談が終了致しました。それぞれ、お付きの方の元へ。」
いわゆるメイドさんかな?思ってた白黒の服じゃなくて完全なる喪服みたいになってるけど。全身黒で何かお葬式みたい。私は何で喪服みたいなのかなー、何てことを思いながらドアの前へと進む。ここで、私は気づく。あ、私にお付きの人居ない!と。
「ユフェルナちゃん、こっちだよ〜。」
良かった居た。よく見るとアリシアナさんが旗をパタパタさせながら手をふっていた。何か、バスツアーのガイドさんみたいになってるけど。でも、何か違和感が……?
「はいっと。よし。それじゃあ、行こうか。」
そう言ってアリシアナさんは手を差し伸べる。私はアリシアナの手をつかむ。
バッ!
私は咄嗟にアリシアナさんの手をはらった。
「どうしたの?皆で早く……」
アリシアナさんが困ったように言う。そう、全てがおかしいのだ。何故、アリシアナさんが私を迎えに来たのかと言う疑問とあと一つ。その疑問とは…………
「あ」
首筋に衝撃が走る。私の首、筋?そこで私の意識は途絶えた。
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