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あ〜もう…ついてない……
日付を越えた深夜。私は文句を言いながら歩き出す。
終電逃しちゃった……タクシー………はお金かかるし…
ぐるぐると頭の中に考えが巡る。
ついてないなあ…
私はこの街が好きだ。実家を離れ、上京した私がこの街に来た理由は、この夜に惹かれたからだ。
でも…なんか暗いし、寒いし……
夜って意外と楽しくない……
小さい頃は、寝る前にカーテンを開けるだけで、心が踊ってたいんだけどな……
あの頃の私は、何が好きだったんだっけな…
ガヤガヤとする夜の街。なんだか居心地が悪かった。
…星も見えないし。
空は真っ暗。周りの光が強いと、星が見えなくなるとか。
綺麗な夜空〜満点の星々〜……なんて嘘だったのかな。
1人でショックを受けていると、ふと看板が目に入った。
…公園か。
そこは小さな公園だった。特に寄ったことも気にしたこともない、普通の公園。
………どうせ終電は逃したんだし、寄ってもいいか。
公園の中に入り、ブランコに腰をかける。
…なんか、懐かしいな……
………私って何をしにこの街に来たんだっけ
夜は嫌なことを考えてしまう。
………
風が吹く。気持ちのいい風が。
……………ん
ふと顔を上げると、目に入ってきた光景に驚いた。
………木?
普通の木だった。ただ一本の木がそこに生えている。
………綺麗
何を言っているんだ。ただの木だ。風に揺らいでいるだけの、ただの木。
…それでも、たまらなく綺麗に見えたのは、きっと夜だからだろう。
………またここにこようっと。
そう決めて、ブランコから降りる。
……この街に来て、よかったな。
まだ私の知らない夜が、この街にはある。私はそれを、見つけたい。
………帰り道どうしよ…
大人しくタクシーで帰ろう。財布の軽さに一抹の寂しさを想いながら。
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#オリジナル
えれめんたる
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コメント
5件
夜だと普段なんとも思わない物に目向けれるのも、余計なこと考えちゃうのもめっちゃ共感! 色んな視点の夜を見れるの楽しい👍🏻
第4夜、読みました。終電を逃した憂鬱な夜から「まだ知らない夜がある」という気づきに着地する流れが好きです。「ただの木」が夜のせいでたまらなく綺麗に見える、あの感覚、すごく分かります。星空が見えない街だからこそ、逆に足元の木が浮かび上がって見えたんでしょうね。この先、主人公がどんな“夜”を見つけていくのか楽しみです。