大きめのキャリーケースの中に、あれやこれやを詰め込んだ。
地元に戻るんだ。大丈夫。変なもの何もいらない。
昼の新幹線に乗り込んで、何も考えずにしばらく揺られる。
誰かに会うだろうか。
変化はあるだろうか。
美味しいものは食べられるだろうか。
というか、俺関西弁喋れるかな…?
何回か乗り換えて、やっと地元の駅に着いた。
レトロな雰囲気がおしゃれで、学生時代の思い出が蘇ってくる。
記憶を頼りに、実家に行く。
大好きな仲間みたいな……
みっちゃんと…大樹……
みっちゃんの駄菓子屋行ってみるか。
みっちゃんの駄菓子屋は確かひいおばあちゃんの代から始まって、みっちゃんのお母さんまで今続いている老舗の駄菓子屋さん。
あそこのお菓子、全部美味しいんや…
ジブリのようなおしゃれな森の中にある駄菓子屋に行くと、ポニーテールでオレンジ色のエプロンを身につけた女性がいた。
「……みっ…ちゃん…?」
「……ん?」
「…こーちゃん!?」
あの日見た、可愛い笑顔のみっちゃん。
また会えた。
「…ただいま」
「帰ってくるならちょっとは連絡してやぁ〜!うわぁちょっとなんも用意してへんわぁ〜」
関西弁…心地いいなぁ
「あられでええ?あの…なんだっけあまあられ!」
みっちゃんは金平糖のことを「あまあられ」という。
「みっちゃん、それな 金平糖言うねんて。」
「コンペイトー?言わんやろ。」
「あまあられちゃうで」
「えぇ!?あまあられちゃうん!?えぇ!?」
無邪気な笑顔が
俺は大好きや
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