テラーノベル
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最初は、ほんの些細なことだった。
廊下ですれ違うとき、
誰かが、ちらっと二人を見る。
教室で席を立つとき、
視線が、少しだけ長く残る。
おらふくんは、気づいていたけど、
気づかないふりをした。
(……前から、嫌われてたし)
(……今さら、増えても同じ)
そう思おうとした。
昼休み。
おんりーが、いつものように声をかける。
「……一緒、行く?」
その一言で、
空気が、わずかに止まった。
「……あ」
誰かが、声を漏らす。
「……やっぱり」
その言葉は、
刃物みたいじゃなかった。
だからこそ、
胸に残った。
放課後。
掲示板の前で、
知らない名前が、ひそひそ話をしている。
「……あの二人さ」
「……そういう関係なんじゃね?」
「……BLってやつ?」
言葉だけが、先に歩いていく。
意味も、重さも、
おらふくんの知らないまま。
帰り道。
「……ごめん」
おんりーが、歩きながら言った。
「……俺が、近くにいすぎた」
「……噂、広げたのも」
おらふくんは、足を止める。
「……それ」
「……悪いこと?」
おんりーは、答えに詰まる。
「……世間的には」
「……めんどくさい」
「……傷つく」
正直な言葉だった。
おらふくんは、しばらく考えてから、言う。
「……でも」
「……俺、前は」
「……誰かと一緒にいるだけで」
「……怒られる気がしてた」
「……今は」
小さく息を吸う。
「……怒られても」
「……逃げたくない」
それは、
守られる側じゃない言葉だった。
次の日。
先生に、呼ばれる。
「最近、噂が出ている」
「困っていることはあるか」
大人の声は、静かだった。
おらふくんは、
一瞬だけ、おんりーを見る。
おんりーは、何も言わずに、うなずいた。
――逃げなくていい。
そう言われた気がした。
教室に戻ると、
空気は、昨日と同じで、少し違う。
露骨な言葉はない。
でも、
“知っている”という目が、増えた。
「……なあ」
おんりーが、低く言う。
「……怖いか?」
おらふくんは、正直に答える。
「……ちょっと」
「……でも」
「……ひとりじゃない」
その事実が、
噂よりも、ずっと大きかった。
放課後、校舎の裏。
ご飯を食べながら、
二人は、並んで座る。
「……BLってさ」
おらふくんが言う。
「……まだ、全部はわかんない」
「……でも」
箸を止めて、続ける。
「……誰かを大事にすることなら」
「……悪くない」
おんりーは、
その言葉を、しっかり受け取った。
噂は、消えていない。
視線も、完全には優しくない。
でも、
二人が並んでいる事実だけは、
もう、隠れなかった。
悲しさは、まだそこにある。
けれど――
知られても、壊れなかった。
それが、
次の強さになり始めていた。
コメント
1件
はぁ…は、ッ((おいいいかげんおちつけよ …このさくひんがかみなのがわるいだろおおおおおお”お”お”お”お”!!! ※かみですがわるいわけではありません