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穂葉「コホン。 これはすこし難しい話になってしまいますが、戦況というものはですね、絶えず移り変わっていくんですよ」
望月「ほぉ……?」
穂葉「そこに決まった形はなく、状況を見極め、臨機応変に対応することが肝要なんですね。 かの宮本武蔵だってそう言ってます」
琴親「おぉ、かの剣聖が」
史「そんな洗練されたもんじゃ無えや。 オメーのはただの行き当たりばったりだ」
穂葉「なに? なんですって?」
史「ライブ感だけで生きてるとな、いつかバカ見んぞ? 気ぃつけろ」
穂葉「へーい………」
望月「ちょっとほのっち、それとなく住所確認しようとするの止めて」
結桜「ザリガメというのは、この方のことでしょうか?」
琴親「ほぉー、これは珍しい」
穂葉「うん、モミジっていいます」
結桜「モミジ殿……」
珠衣「ゆらちゃん ゆらちゃん!」
結桜「ふん?」
珠衣「その子、モミジをね? こう、頭に乗っけてみてくれないかな?」
幸介「いやお前なに言ってんの?」
望月「あー、察した。何となく」
結桜「頭に……、こうですか?」
珠衣「びゃ………っ!?」
幸介「お前しっかりしろオイ!」
穂葉「おぉ、これは……」
望月「うん。めっちゃ可愛い……」
琴親「あ、写真を……」
史「あいよ、お茶」
結桜「あ。 ありがとうございます」
史「お? あ! コイツなんつーとこ上って!」
結桜「あ、いえ。 大丈夫です」
珠衣「私が頼んだんだよ?」
史「頼んだ? なんで?」
珠衣「いやいや、見て分かりませんかー?」
史「見て……。 頭に乗ってんな?」
珠衣「乗ってますよ。 可愛い娘の頭に、可愛い子が乗ってるわけですよ? ねぇ?」
史「……どうしたんコイツ? 大丈夫か?」
幸介「悪い。 そっとしといてやってよ……」
望月「今日はちょっとタマちゃん、テンションがあれで」
史「あー、季節的なもんか」
結桜「ふふ……」
穂葉「懐いてますね? お父よりよっぽど懐いてる」
史「ほっとけ。 まぁ、迷惑じゃなきゃいいや」
望月「うん。 では、続いてのお便りを」
穂葉「あ、はい。 えー、では続きまして……。あ、本日最後のお便りですね。 《夏男》さんから頂きました。 ありがとうございます」
『國ちゃん聞いてくれよ! 今度うちに妹が遊びに来るっていうんだよ! 夏いっしょに過ごすの久しぶりだから嬉しいなぁ! P.S. 國ちゃんお元気ですか? 俺は元気です』
史「携帯! 携帯に入れろや!?」
望月「あの、これって?」
穂葉「たぶん、沖さんですね。 お父の友達」
望月「あー」
史「あの兄妹なんなんだよ!? どんだけ自由にやりゃ気が済むんだ!」
幸介「荒ぶっとる……」
結桜「……羨ましいです」
望月「うん?」
結桜「あ、いえ。 皆さま仲良さげで。 此方には友というものが居らず」
琴親「御屋形さま……」
珠衣「なに言ってんの!? ここにいるよ? ここにいるよ!?」
幸介「二回言った。 けど、そうだよな」
望月「うん。少なくとも私たちは、もう友達だと思ってる」
穂葉「ファミリーですよ、ファミリー」
結桜「まことですか……? そんな安易に」
史「七面倒な手続きなんぞいらねえよ。 や、慎重に選んだほうがいいヤツも、中にぁいるけどな……」
琴親「御屋形さま」
結桜「ん……。 なんだか、不思議な気分です」
穂葉「のんびりやっていきましょう?」
結桜「はい。 よろしくお願いします」