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【???視点】
苦しい。
苦しい。
息ができない。
__そんな感情で目が覚めた。
無論、気分は最悪だ。
ユメ。
不意に、今朝見たユメのことを思い出す。
何故だろうか。
異様な程に鮮明に、ユメの中の発言一字一句までを覚えていた。
__ユメには”あのお方”が居た。
姿は違うけど、絶対に”あのお方”なんだ。
「この世に絶対は存在しない。それが唯一の絶対。」だなんて言われているけれども。
もし唯一の絶対が存在するのなら、それは”あのお方”の存在のことなのだろうな、と考えを巡らせる。
何の根拠や理由も、はたまた論理も、道理さえも__無かったが。
そんな難しいこと全部をかなぐり捨てて、ユメを見て空っぽになった頭でも。
“あのお方”の存在には何故か絶対的な確信を持てた。
あのお方はきっと、シュ__主だ。
「我が主は…我が主は」
主は
閾ウ鬮倥↓縺励※邨カ蟇セ
「…おい」
その声で、寝起きで働いていなかった頭が急に回転する。
「…大丈夫か?」
声をかけてきた人物__鬼神様が僕の顔を訝しげに覗き込んだ。
鬼神No.████
ファレソ・キュアス
████████████████████
「なぁ、聞いてんのか」
「__あ゛っ、はい」
__今ノ情報ハ一体…?
「…すみません、少し寝ぼけていまして」
「…そうか、体調が悪いわけでは無いんだな。なら良いか」
鬼神様がガチャガチャと牢屋の鍵を開ける。
「今日は市があるから市場に移動するぞ」
「俺は先に行くから」
「…ぁ」
ぽつり、と声が溢れる。
その声には、最早何の感情も含まれてはいなかった。
まただ。
また、売られては消えていく。
脳で受け止められるのはそんな事実だけで。この商売に対する感情なんてとっくに捨てていた。
「今日は、満月」
“満月の日は月に一度の奴隷市の日”
__だったっけ、カ…?
でも、どうせ僕には関係無い。
だって、僕はウレノコリだから。
誰からも必要とされてないのなんて、僕が1番分かってる。
分かってるから、分カッテルカラ…!!
「もう、自分の惨めさを改めて実感させないでよ…」
一体僕は何をした、というのだ?
こんな運命を辿らせるなんて、本当に神は残酷だ。
嗚呼でも、そんな神にも縋らないと生きていけないんだよな。僕みたいなウレノコリは。
今はウレノコリで、必要とされていないことを嘆いていても。
どうせそのトキが来れば、僕もただの廃棄物になるのだ。
悲壮も憤怒も、持つだけ無駄、というところだろう。
__ユメから覚めたあとの脳は、そうやって酷く自分を客観視してしまう。
そんな脳に嫌悪を抱きながら、僕は牢屋の重い扉に手をかけた。
僕のレーゾンデートルは、必ずどこかにある。
ただ、見つからないだけだ。見つけられないだけなんだ。
きっと僕を買ってくれるような、優しい誰かが見つけてくれるはず。
少しぐらい。少しでもそう嘱望しなければ、簡単に壊れてしまいそうだった。
大きな扉の重みは、僕の今の気持ちに共鳴しているようにさえ感じられる。
「さあ、」
A.ここから地獄が始まる。
Another Answer
AA.本当の地獄は逕溘″蝨ー迯?