テラーノベル
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霊貴冥孤の逮捕から数日。
季節は7月中旬となり、信愛は夏休みを間近に控えていた。
「ふわぁ〜・・・」
大きなあくびを漏らしながら、信愛は眠たそうな目を擦り、リビングへと姿を現す。
「ああ、おはよ信愛」
新聞を読んでいた多摩雄が顔を上げる。
「ちゃっちゃと食べちゃいなさいよ」
朝食を並べながら銚子が優しく声を掛けた。
「はぁ〜・・・い」
桃子の言葉に返事をすると、信愛は寝ぼけ眼を指で擦りながら朝食を口へ運んでいく。
しばらく静かな朝食の時間が流れた後、多摩雄がふと思い出したように口を開いた。
「そう言えば信愛はツミッター見たか?」
「ツミッター?」
信愛は首を傾げる。
「いや、見てないけど何かあったの?」
「ほら、何だっけ」
多摩雄は眉間に皺を寄せながら記憶を探る。
「あれだよあれ」
さらに考え込んだ末、
「ほら・・えー・・っと雑誌の」
と言い掛けたところで、銚子が助け舟を出した。
「MWの公式アカウントね」
「あっ、そうだ! それそれ!」
多摩雄は手を叩いて頷く。
「MW?MWってあれだよね? オカルト雑誌の」
信愛が確認すると、多摩雄は神妙な面持ちで続けた。
「そのMWの公式アカウントが
かなり炎上してるみたいだぞ?」
「え? 炎上してんの?」
驚く信愛に、銚子が静かに説明する。
「あなた達が捕まえた霊貴冥孤の件で炎上してんのよ」
「ああ、なるほど」
信愛は納得したように頷いた。
「そう言えば私たちが霊貴冥孤の事
知ったのもMWの記事だったな」
「ほら、これだよ」
多摩雄はスマホをテーブルへ置く。
画面には、MW公式アカウントがツミッターへ投稿した謝罪文が映し出されていた。
「どれどれ・・・」
信愛はスマホを手に取り、画面へ目を落とす。
◇ ◇ ◇
平素よりMWをご愛読いただきありがとうございます。
2025年6月6日金曜日発売のMW7月号に掲載しました霊貴冥孤に関する記事について事実確認が不十分であったことが判明し
読者の皆様にご迷惑とご心配をおかけしました事を深くお詫び申し上げます。
該当記事は詐欺行為に関与していた人物を取り上げたものであり、編集部の調査不足が原因です。
現在、事実関係の再調査と編集体制の見直しを進めております。
再発防止に努め、信頼回復に全力を尽くさせていただきます。ご意見はDMにてお寄せください。
MW編集部一同
◇ ◇ ◇
謝罪文の下には、数多くの返信が並んでおり、その大半はネットユーザーによる辛辣な言葉で埋め尽くされていた。
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適当なオカルト記事で読者を騙すゴミ記者。全員責任取れよ無能共
#MW編集部
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大した取材もせずに詐欺師を英雄扱いする無能記者乙www 全員クビにしろ
#MW編集部
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みんな雑誌記者に期待しすぎなんじゃね?週刊文秋しかりMWしかり、手に取ってもらえる記事書ければそれで良いんよ
#MW編集部
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詐欺師を推す記事書くとかバカなの? むしろこっちの方が詐欺じゃね?
#MW編集部
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霊能者なんてほぼ詐欺師みたいなもんだろ?記事にする前に気づけよバカ
#MW編集部
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スマートフォンの画面を見つめる信愛の表情から、徐々に笑みが消えていった。
コメント
1件
×××さんの新エピ、読みました!朝のほのぼのシーンからMWの謝罪炎上で空気が一変するギャップがめっちゃ良かったです〜。多摩雄と銚子の掛け合い、ほっこり夫婦漫才みたいで可愛い🥺 でも信愛がスマホ見て笑顔消えるラスト、えもすぎて震えた…。ネットの辛辣な言葉、マジでリアルで胸が痛い。続きが気になりすぎる!🌸
#普通
野々さくら
750
#幼馴染
猫塚ルイ

3,364
ありあ
366