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それは、ある日一人のペペロン星人の話から始まったのです。 そのペペロン星人には、ほかの星へ留学していた息子がおり、その息子が留学を終え帰ってきたそうで、夕飯時久しぶりの家族揃っての食事に花を咲かせていたところです。
息子が突然
「そういえば、こっちの星は随分平和なんだね」
と話すのです。
よくよく話を聞いてみると、留学していた星、つまりポコリンポス星では、争いが絶えず、最近就任したばかりの星王が血気盛んな若者で政治というものが分からず星が荒れ果てている。
その星王は、他星に戦争を仕掛けようと企んでいるそして、その標的は貴金属や鉱石が潤沢にあり、都市開発に必要な資材が揃っている、このペペロン星だということを話すのです。
それを聞いたペペロン星人はなんだかとても面白くなって、そんな訳ないと、近所のペペロン星人に話すのでした。
そこから尾ひれはひれのついた噂話が広がり、取り返しのつかないことになってしまったのです。私がその噂を知ったのはつい最近、図書館でいつも通り仕事をしていた時だった。棚の向こう側でひそひそ話が聞こえる。
「もうすぐ、戦争になるんだって。」
「え?私はペペロン星がルルポポ星に攻めるって聞いたわよ。」
私は胸の奥がなんだかザワつくのを感じとった。話の根拠を探るべく、私は仕事が終わり、家族との夕飯も手早に済ませた。どうやら家族はこの噂を知らないようだ。すぐさまインターネットにかじりついたが、どれも書いてあることは様々で、ペペロン星が戦争を仕掛けようとしている。との記事や、ルルポポ星がペペロン星を攻めようとしている。他にも、地球人がペペロン星の資材を狙っているなど…探せば探すほど噂の真相からは遠ざかっていっている気がする。
これ以上検索しても埒が明かないと思った私は胸のざわめきを抑えきれないままベッドに入った。