テラーノベル
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翌朝、重たい目を開ける。
心做しか体も、心も重い。
起きたくないが起きなければ。
仕事に行かなければならない。
重たい身体をなんとか起こし食卓へと向かう。
すると、母が準備した朝食と、テレビには噂についての特集が組まれていた。
私はテレビに釘付けになった。
昨日知ることの出来なかった真相を今、ここで知らなければならない。
ニュースのタイトルはこうだ。噂の真相、ペペロン星の戦争疑惑に迫る。
内容はそんなタイトルには相応しいとは思えないものだった、インターネットでの意見の寄せ集めで、私が昨日調べ、たどり着いたものばかりだった。
これは、私がマスメディアほど役に立たないものは無いなと思った瞬間だった。
母に、朝ごはんありがとう。 ご馳走様。と言った後、
私は心のざわつきだけを残していつもの日常へとも戻る。今はそうするしかないのだ。
私はいつも通り空中列車に乗り図書館へと向かう。
列車の中はいつも通り静かで、スマートフォンを触っている人もいれば、本を読んでいる人もいる。
通勤や、通学の時間帯のため人はかなり多く、ここでも情報は得られそうにないな。
一体ここに噂の真相を知る人はどれほどいるのだろうか。
そう考えながら私はそっとヘッドフォンをかけ音楽を流す。これは、子どもの頃からのお気に入りの曲だ。
職場につきいつも通り仕事をする。
そんな中で、いつもと違うところがあるとすれば、利用客が多いくらいだ。
ペペロン星ではここ数千年は戦争など起こっておらず、戦争というものを知るには資料でしか得られない情報である。
それを求めたくさんの利用客がやってくる。
きっと朝のニュースを見て、やってきた人ばかりだろう。
資料を開いた人がそっと呟く。
「嘘…戦争ってこんなに残酷なものなの?」
資料を探していたほかの利用客はその言葉を決して聞き逃さなかった。
噂といえど、これから起こるかもしれない事を必死で考えながら自分たちの不安を解消しようとしていたのだろう。
私もその一人であった。
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