次の日。私と紗枝は空港に行った。颯太さんは先に行って待っててくれるみたいだ。着くと花恋さんと一緒にいるところを見つけた。相変わらず一方的だ。彼は私を見つけるとすぐに駆け寄って来た。
「おはようございます。来てくれてありがとうございます」
今日もかっこいいな。こんな人と恋人になれたんだ。まだ夢みたいな気分だな。そして私は長い飛行機の中で食べれるかと思って昨日買っておいたお菓子の詰め合わせを渡した。その時、彼が乗る飛行機のアナウンスがなった。
「あ、もう行かないとですね…。私待ってますから!」
今にも泣き出しそうな声でそう言った。すると彼が抱きついてきた。泣かないでと言っているようだった。みんながいて恥ずかしいけど、安心できた。
「いってきます」
「「「いってらっしゃい!」」」
彼が見えなくなるまで私たちは見送った。笑顔ができて良かったと思っていると花恋さんが睨んでいることに気がついた。
「もしかして付き合ってるの?」
「そうですけど…」
「そう」
そして花恋さんは何か考え込むようにしながら帰ってしまった。不思議に思っていると紗枝が囁いた。
「あの人には気をつけた方がいいかもね」
「…うん」
その日の夜。お風呂からあがると携帯がなっていたことに気づいた。颯太さんからだった。私は急いでかけ直した。
「もしもし…」
「あ、よかった。ちょっと声が聞きたくて…今大丈夫ですか?」
「もちろんいつでも大歓迎です!」
それからどんなホテルに泊まってるとか国の雰囲気などを話してくれた。電話でもこうして話せることがすごく嬉しい。
「今日は遅いしいいですけどビデオ通話したいです。…あれ、瞳さん?」
「寝ちゃいましたか。好きです。おやすみなさい」
私はいつの間にか寝落ちしてしまっていた。