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#狂愛
柏木さくら
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臣桜
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ー cafe seasideカフェ シーサイド ー
徹と緑が向かい合って座っている。
徹は黙ったまま、窓越しに海を眺めていた。
緑はおずおずしながら 時折徹の顔色を窺っていたが、覚悟を決め 思い切って口を開いた。
「香坂先生の…弟さん、ですよね」
「はい」
徹は、海を見つめたまま返事した。
「あの…なぜ私を、知っているのですか?」
徹は少しの間黙っていたが、ようやく緑の方に顔を向けると 言葉を返した。
「兄が勤めていた病院へ、時々様子を見に行っていて‥その内 あなたのことを知りました」
緑は一瞬、絶句した。
が、なんとか重い口を開き 徹に聞いた。
「なぜ そんなことを? それは、お兄さんのことが心配だったからですか? それとも…」
「お待たせしました」
cafeの女性店員が、緑と徹の前に アイスコーヒーを入れたグラスを置いた。
「ごゆっくりどうぞ」
女性店員が頭を下げ その場から離れると、徹は穏やかな口調で言った。
「兄の奥さん、‥瀬里香さんのことが 好きだからです」
思いもよらない言葉に 緑は再び絶句した。
「初めて会った時から、ずっと好きでした。あんな純粋な女性ひとが、なぜ兄貴の奥さんになったのか ずっと納得出来ずにいました。でも、僕がそんなことをいつまでも思ってたって しょうがない。だから、せめて陰からでも 瀬里香さんのことを守っててあげたいって…そう思ったんです」
「だから わざわざ病院に様子を見に行ってたんですか? 例えば 探偵とかに依頼をして、代わりに身辺調査とかして貰うってことも、出来たのでは」
「そんなお金、ないですよ。
…あなたは、兄のことで何か 探偵とかに依頼されたのですか?」
緑は口籠くちごもった。
徹は察した様に、微かに笑った。
「兄のことだから、恐らくこういうことをするんじゃないかと思って。ま、当たってたんですけどね。昔から 変わってないなと思いました」
緑はどこかでもう、観念するしかないと思っていた。
「…事実を知って、どうされるんですか?」
「これから、青井家に 一緒に行きませんか?」
「えっ?」
突然の徹の言葉に 緑は目を丸くした。
コメント
1件
うわあ…第52話、すごく重くて静かな回だったね。 徹が「瀬里香さんのことが好きだから」って、あんなに穏やかに言うのが逆に切なくて。ずっと陰から見守ってたんだって思うと、胸がぎゅっとなるよ。 緑が察してるのも、二人の間に流れる空気が苦しいくらいリアルだった。 「青井家に一緒に行きませんか」って、何が始まるんだろう…続きが気になる🌙