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#狂愛
柏木さくら
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臣桜
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第53話、読み終えました。徹くん、本当にストレートな言葉を緑さんにぶつけますね…。「あなたは本来こんなことをする人じゃない」という台詞に、彼の優しさと厳しさが両方詰まっていて印象的でした。陸斗の「だりぃ」という独白との温度差も面白くて、二人の兄弟の対比が際立ってます。お盆の渋滞と土産話、どちらもリアルで思わず苦笑い。先回りする徹くんたちと、のんびりサービスエリアに寄る陸斗、このすれ違いがどう転ぶのか、次が気になりますね。
「そ、そんなことしたら…」
緑は気が動転した。
「どうせもう、バレてますから。あなたと兄がホテルに入って行くところを、僕が影から撮って 瀬里香さんのメールに送ったので」
そう言うと、徹はグラスの中のコーヒーをストローで吸った。
表情や口調は冷静で穏やかだが 口を開く度に、度肝を抜かれる徹の言葉に 緑は只々困惑していた。
「青井家に行って、どうされるのですか…」
緑の唇が 微かに震えていた。
「もう、白黒はっきりさせたらいいんじゃないでしょうか。
早かれ遅かれ いつかは全部、バレますよ」
緑は俯いた。
「もし、あなたが兄のことを本気で好きになってしまったとして あなたが兄と結ばれたとしても、きっとまた 同じことを繰り返します。兄の浮気癖は、余程のことでもない限り 治らないと思うから。今は良くても、恐らくあなたも幸せにはなれない‥それでもいいんですか?
あなたは、本来はこんなことをする人じゃないと 僕は思っています」
緑の頭の中で ふと母の顔が浮かび、思わず涙が込み上げた。
「お互いもう、正直になりましょうよ。これで頭を打ったのなら、素面に戻って 自分の幸せを考えるように、人の幸せも考えましょう。
…兄は、今日は何時にホテルを出発したんですか?」
「はっきりした時間はわかりませんが、午前中です」
そう言って、緑は頬の涙を拭った。
「そうですか…多分 お盆の帰省ラッシュで高速道路は渋滞してると思うので、帰宅は夜になるでしょう。それまでに電車に乗って 先回りしましょう。
車内が満席で、座れなかったらごめんなさい」
「もし、彼が帰るまでに 間に合わなかったら?」
「大丈夫だと思います。兄のことなら、きっと早々には青井家には戻りたくない筈だから」
陸斗が車を走らせていると、途中で渋滞に巻き込まれた。
(クソッ、やっぱなぁ〜。 ああ~、だりぃ。
…そだ、俺、土産買うの忘れてる! 土産の1つくらい持ってかないとマズイよな。なんだかんだでほんともう、メンドくせぇ。
でもまぁ、あんまり早く帰っても仕方ねえしな、あの家に)
陸斗はハンドルの向きを替え、途中にあるサービスエリアに入って行った。