帝王ホテルのラウンジはさすがというべきか、とてもラグジュアリーで魅力溢れる空間となっていた。高い天井も東京の街を一望できるロケーションもどこか非日常的で、平常時の自分であったら足を踏み入れただけで舞い上がっていただろう。
……ただ、今はそれどころじゃない。
再会を果たした直後、私たちはかつての自分たちの関係を両親らに説明した。父と美由希さんは「そんな偶然あるのか」と驚き、せっかちな篠原源三先生は「なら紹介はいらんな」と私たちをさっさとこちらに送り出したのだった。
案内された席に着くなり、私は勢いよく言ってしまう。
「先生のお父さんって、篠原源三先生だったんですね」
挨拶や再会の喜び、言いたいことに聞きたいこと。それらは山ほどあったのに、真っ先に口から出てきた言葉はそんなものだった。
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