大分小さい子達怖がってるみたい…
…あ!確か…
『じゃじゃーん!可愛いスズメちゃんだよ!』
「あっ…チュン太郎…!」
「チュン!チュン!」
『可愛いよね〜!』
「チュン!」
「あっ…」
「うっ…」
な、泣き出しちゃった…
向こうのお屋敷には鬼の気配がするし…聞いた方がいいよね…!
『ごめんね、嫌だったらいいんだけど…何があったの?』
「何に怯えてるんだ…?」
『あそこのお屋敷は2人のお家?』
「違う…違う!」
「こ…ここは…!」
『ここは…?』
何だか凄い事が起きてそう…
「ば…化け物の…家だっ」
『化け物…?』
鬼の事かな…
でも、化け物って事は…
『その化け物と…会った事があるの?』
「ああ…っ兄ちゃんが…っ連れていかれた…」
「お兄さんが…」
「夜道を歩いてたら見たともない化け物が現れて…」
「俺たちには目もくれないで…兄ちゃんだけ…っ」
鬼にお兄ちゃんが連れて行かれたんだ…
やっぱり、鬼は無境なく人を襲う…
「あの家に入ったんだな…?」
「うん…うん…」
『2人で後をつけたの?偉いよ!頑張ったね〜!』
家族が連れ去られたとはいえ、初めて会う化け物の後を追えるって…凄いなぁ…!
わたしの弟と同じ位の年齢なのに!
「うぅ…っ」
「兄ちゃんの血の痕を辿ったんだ…」
『…!血の痕を…』
「怪我したから…っ」
鬼は血肉を食べるから…それだとお兄ちゃんの安否が不安…っ
「大丈夫だ!」
「俺たちが悪いヤツを倒して兄ちゃんを助ける!」
『うん!だから安心して!』
「ほんと…ほんとに…?」
「うん、きっと!」
「みのりちゃん…炭治郎…」
『…?』
「なぁ、この音…なんなんだ?」
『音…?聞こえないけど…』
「気持ち悪い音…ずっと聞こえる…」
「鼓か?これ…」
うーん…わたしには何も聞こえないな…
もしかしたら…善逸くんは特別に耳がいいのかも!
ポンッ!
『あっ…!』
「…!」
「ああ…っ」
た、確かに…っ太鼓みたいな音がする…!
ポンッポンッポンッ
ポンッポンッポンッポンッポンッポンッポンッポンッポンッポンッ
ポンッ
『…!』
お屋敷からっ人が…!
「はっ!」
「ひっ…っ」
「きゃぁぁぁ!!!」
『見ないでっ!』
「あっああ…」
「大丈夫ですかっ」
『大丈夫ですかっ?!しっかり!』
傷が深い…っ鬼にやられたのかな…っ
「出ら…せっかく…」
『…!』
「出ら…れら…のに…」
「外に…出られたのに…」
「死ぬ…のか…」
「俺…死ぬのか…っ」
「っ…」
炭治郎くんがギュッと男の人を抱きしめた…
やっぱり酷すぎるよ…っ
「みのりちゃん…炭治郎っ」
「もしかして…その人っ」
「この子達の…」
ヴァァァァ!!
『…っ!』
ポンッポンッポンッ
…助けられなかった…
わたし達がもう少し早く来ていれば…助けられたかもしれないのに…っ
「ねぇ、この人は君達の…」
「兄ちゃんじゃないっ」
「兄ちゃんは柿色の着物を着てるっ」
何人も捕まっているんだ…っ
…戻ってきたら…っ必ず埋葬しますからねっ
『よし!炭治郎くん!善逸くん!行こうっ』
「あぁっ!」
「ああ…」
「ぐぅぅ…っ」
善逸くん…大分怖がってる…
だけど…
『でも、今助けられるのは善逸くんと炭治郎くんとわたしだけだよ…?』
「ヒィッ…」
やっぱり怖がっちゃってる…
「そうか…分かった…」
「ヒッ!」
『炭治郎くんっ?!』
「ひゃ〜!なんだよ!」
「なんでそんな般若みたいな顔すんだよ!」
『は、はんにゃ…』
「行くよ〜!」
「無理強いする必要はない…俺とみのりだけで行く…」
あわわ…炭治郎くん怒っちゃった…
「行くよ〜!」
「あっ…」
「もしものときのために…この箱を置いていく」
「何かあっても、2人を守ってくれるから」
『じゃあ、行ってくるね!』
わたし達は鬼のいるお屋敷に足を運んだ
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