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いろいろ話し合い、悩んだ結果、アンナが3歳になったら、美容師に復帰するとの結論に至った。
月日が経つのは本当に早い。
復帰を決断してから無我夢中で子育てと家事、そして、美容師としての修行を頑張っていたら、あっという間にアンナは3歳になった。
私は、悠人の計らいでシャルムに戻ることになり、アンナをすぐ近所にある保育園に預けることにした。母親として、アンナが不安にならないか心配だったけど、すぐにお友達もできて、楽しく通う姿を見ていたら心から安心した。先生達も、ずいぶんしっかりした頭の良い子で優しい女の子だと褒めてくれた。
綺麗で大きな保育園。
お金持ちの子が通うような私立の有名保育園ではなく、ごく普通の保育園にしたのは、悠人の思いもあってのことだった。アンナには、普通の感覚、価値観を身につけてほしかったみたいだ。
朝は、私を気遣って、わざわざ悠人が保育園にアンナを送ってくれた。入口には園児のママさん達が大勢いて、私がお迎えに行った時には、「アンナちゃんのパパは、俳優さんやモデルさんみたいにかっこいいね」って言われる。
運動会で悠人が走った時には、なぜかママさん達から黄色い声援が飛びかい、カメラが一斉に悠人に向いた。悠人はどこにいてもかなり目立ってしまう。
悠人のファンだというママさん達にはよく喋りかけられたりしてるけど、ニコニコして対応するから、そのおかげで悠人目当てでシャルムに来てくれる人も増えたらしい。
ちょっと妬けるけど……仕方ないよね。
悠人は嘘みたいにかっこいい人なんだから。
でも、どんなにモテても、保育園ではパパの顔、シャルムでは美容師の顔を崩さずにいてくれて、相手がどんなに綺麗でも、可愛くても、その姿勢でいてくれるから私はいつだって安心していられた。
私のことを、ママになってもいつもちゃんと女性として扱ってくれる悠人。
周りのママさん達は、結婚して子どもができたら、旦那さんから女として見られなくなったとか、逆に、旦那さんに触られるのが嫌だとか、そういう話をたまに聞く。
だから、ほんのちょっとは不安になったりもするけど、でも私は……悠人を信じてるし、いつまでも大好き。ずっと恋人同士みたいな関係でいたいと思ってる。
もちろん、悠人が嫌じゃなければ……だけど。
悠人にとって良い妻でありながら、可愛いアンナのためには良いママになれるよう努力もしながら、さらに美容師としても頑張りたい。
色々欲張り過ぎかなとも思うけど、無理して背伸びはせずに、ありのまま、自分らしく輝いていたい。