1輪

『安城百合香』

毎日、家に帰るのが苦痛だった。

お父さんは深夜まで帰ってこない。

ひとりぼっち。これが一番よく合う言葉なんだ。

誠斗さんと登下校をしてても、いつもどこかでは寂しいんだ。

でもいいこともあった。

話しかけてくれる人が1人増えたんだ。

猫宮雫さん！

可愛らしくてとってもいい人なんだ。

明るくて、可愛くて、優しい！

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『猫宮 雫♡』

昔っから誠斗は私に無愛想。

チョコをあげても、実は好きかも！？みたいな噂を流させても。

ほかの男子とたっくさん関係を持っても。

見向きもしない！嫉妬もしない！

そんな誠斗が最近、ほかの女とよく話してる。

安城百合香。

あの女……気に入らない。

だからあえて仲良くして〜、その後はどうしよっかな〜、

あ！

イイこと思いついた♡

___________________________________『谷川誠斗。』

ニュースを見れば、謎の異形化！原因は違法な物質か？

だとか、そんなのばかり流れてくる。

正直鬱陶しい。

そんなことより、あの女と百合香さんが最近仲良くしている。

俺が本を読んでる今だって…

「百合香〜、放課後遊ぼうよ。」

「は、はい！いいですよ！」

「でも私今お金ないんだわ…出してくんない？」

「もちろん…！」

…と、毎日この調子で俺と百合香さんとの時間を奪っては、百合香さんからお金を巻き上げている。

何が目的なんだ？猫宮雫。

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『猫宮雫♡』

はー、まじ便利だわこのお財布。

お金ないな〜って言うだけで、お金くれるんだもん。

なのにこいつは私の事仲良いお友達だと思ってるし…チョッロ。

そうだ、私の計画。ちゃーんと練ったんだから。

まず、こうやって仲良くして親睦を深めて…完全に信用させる。

この子は私が誠斗の幼馴染だって知ってる。これを利用する。

まず、幼少期…と言っても中学くらいの。

誠斗の嘘の悪行を話す。そんで誠斗を突き放すように計画する。

そうしたら、私はこの女をどっか適当な倉庫とかに呼び出す。

中には私のそういうお仲間を数人入れておいて、適当にやらせておく。

その映像をこの女のスマホから誠斗に送れば、この女はクソビッ〇だと思われる。

そうすれば、誠斗は傷つく。その時に私もこの女を突き放せばこの女は1人に戻る。誠斗も1人になるから、私が親切にすれば…

きっとまた付き合えるよね。

ふふ…楽しみ！