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そこそこ広い2車線道路。
その横にそびえる、どう見ても5メートル以上はあるコンクリの壁。
道路からその上に向かっていく、コンクリ滑り止め舗装の道。
「この坂が最後、右の赤い屋根の2階建てが目的地、先生の自宅だ」
「先生って、こちらが実家だったんですか」
確か加茂先生の実家は東京だったような。
「いいえ。ここは私が買ったんですよ。安かったので、つい」
おいおいおい。
家って安かったから、つい買うものなのか?
「詮索は後だ。行くぞ」
そう言って先輩を先頭に歩き出す。
坂を登りだして、僕は気づいた。
「この傾斜、なかなかじわりますね」
この、そこそこ急な坂が足の筋肉を嫌らしく攻めてくるのだ。
「だから言ったろ。最後が一番きついって」
その横を先生が走って行く。
「お風呂沸かしておきますから。ゆっくりどうぞ」
「まだあんな体力あるんですね……」
栗原さんだけでなく、竹川さんも、そして僕も。
驚異の目で先生を見てしまう。
「甘いぞ新人諸君よ。先生の恐ろしさはこんなものじゃない」
先輩だけはにやにや笑っている。
「それに今のルート、今でも時々先生は通勤に使っているぞ。トレーニングとか言ってさ。月曜日に学校に着替え置いて、あとは今のコースかその変形を歩いたり走ったりしてくるんだ。
今回は休憩入れて5時間かけたけれど、先生はこれを1時間ちょいで来るらしい」
おいおいおい。それは化け物か。
僕以外の2人も絶句している。
まあそんな感じで、先生のお宅に無事到着。
庭はかなり広い。
テント数張りは余裕で立てられそうだ。
この立地条件だから、周りの家から覗かれることも無いし。
家も2階建てで、決して狭くなさそう。
そして濃青の1BOX車が止まっている。
「この車も先生のですか」
トヨタのハイエース。
色が白ければ、工務店の車だ。
「ああ。広くて人数乗れて燃費がいいって、先生のお気に入りだ」
うーん。
イメージ的に、若い女性の車では無いような。