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「あの日、君が実家に帰っていなかった日、彼女から電球の交換を頼まれて
家へ行ったことは話したと思うけど、実はそのあと、食事していくように
勧められた。勿論断ったよ。
だけど、そのあとも強く勧められて結局彼女の推しの強さに根負けして
一緒に食事した。
それで食事が終わって帰ろうとしたら今度はお礼にマッサージをしてあげると
言われて……これも断ったんだが、この時も彼女の推しの強さに負けて施術を
受けた」
「アロママッサージだよね? あの人が最近始めたってサイドビジネス」
「そうみたいだね」
「施術のときって、その……やっぱり洋服は脱ぐの?
脱いでしてもらうの?」
「一応みんな《客たち》にはそうしてもらってるからって言われて、
全部脱いだ」
「全部って二人しかいない密室で全裸だなんて信じられない。
ね、私、淳子さんが自宅でアロママッサージサロンを開くって聞いて
少し調べたことがあるんだけど、そういうサロンではオイルで濡れても
いいように使い捨てパンツを準備してるらしいのね。
それも穿いてなかったってこと?」
「そう……だな。
そういう知識があの時あれば、今回の事故は防げたのかもしれないな。
今その話を聞いて思ったことだけど。
その時は、初めてのことで脱ぐのが当たり前みたいに言われて、下着を脱いで
バスタオルを巻き施術台に乗ったんだよな。
ご近所さんだし、君の知り合いでもあるし、最初は施術を受けることに
抵抗があった。
だけど、仕事帰りのあとだろ?
疲れててマッサージはすごく気持ち良く感じて……まぁ、リラックスして
無防備なところを突かれたというところかな。
しばらくして、彼女が駿足で俺の身体の上に乗ってきて、それで
そのまま襲われた。
こんなこと言うのも情けないけど、合意なきレイプだよ、彼女のしたことは。
彼女自身最初から下着を身に着けてなかった可能性が高いから、
確信犯だと思う。
この一度で終わっていたら、俺は今後二度と彼女とはかかわらず、
起きたことは君には話さずに墓場まで持っていくつもりだった」