静かな夜、焚き火の小さな音が響く中、萌香はみりんをそっと呼び止めた。
「みりん、ちょっと話したいことがあるの…」
その声には、どこか切なさと迷いが混じっていた。
みりんは地図を書き込む手を止めて、萌香の顔をじっと見た。
「どうしたの?何かあった?」
萌香は少し俯き、頬を赤らめながら言葉を探していた。
「…私ね、いさなのこと、好きなんだと思うの。」
その言葉を聞いた瞬間、みりんの心が小さく震えた。彼女もまた、いさなに特別な感情を抱いていたからだ。だが、その気持ちを表に出さず、冷静を装った。
「そっか…いさなに伝えるつもりなの?」
みりんは平静を保ちながら優しく問いかけた。
「でも…私が言っても、どうせ…いさなには見向きもされないよね。」
萌香は肩を落とし、自嘲気味に笑った。
みりんは少し迷ったが、萌香の肩に手を置いて励ました。
「そんなことないよ。いさなはさ、意外と人のことよく見てるから…でも、無理に焦らなくてもいいんじゃないかな。」
みりんは心の中で複雑な感情を抱えていた。自分もいさなに惹かれているけれど、それを隠し続けるのはつらい。でも、今の萌香の気持ちを考えると、邪魔をするわけにはいかなかった。
「私がこの気持ちを飲み込めば、萌香が幸せになれるかもしれない。」
そう自分に言い聞かせたみりんは、自然と笑顔を作った。
「ねぇ、萌香。いさなって変態だと思うけど、なんだかんだで頼りになるよね。」
そう言うことで、少しでも萌香を安心させようとした。
一方で、いさなは、なぜか姿が見当たらなかった。
「いさな、どこ行ったんだろう?」
ゆうながふと声を上げた。
「またどこかで変なことしてるんじゃないの?」
リオが低く唸りながら呟いた。
実際、いさなは夜の森で何かを探していた。
恐竜の痕跡や新しい食料を探しに行ったのだが、彼自身は自分が女性陣にどう思われているかなど、まったく気づいていない。
いさなの無神経さが、なぜか女性たちの心を掻き乱していた。彼は常に自然体で、気配りのつもりがかえって好感を抱かせてしまう。そして、彼自身が意識していないからこそ、その魅力がより一層強く感じられるのだ。
焚き火に戻ったいさなは、何事もなかったかのように笑顔でこう言った。
「おい、何か新食料見つけたぞ!」
その無邪気な笑顔に、萌香もみりんも一瞬心を奪われた。
「ほんと、あんな変態なのに、なんでこんなに魅力的なんだろう…?」
二人は同じことを考えながら、顔を見合わせた。
コメント
8件
えwwwwwwwwwwww