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#家族関係
Shax91
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眠狂四郎
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ルルヴィ
第3章:考え、選択する
ベンは完全に動揺していた。
つい先ほど目にした光景が、頭から離れようとしなかった。
両親が…… 正式に戦争状態に入ったのだ。
何が起きたのか、まだ現実として受け止めきれずにいた。
なぜだ? なぜ、こんなところまで来てしまったのか?
思考が頭の中で交錯し、整理がつかなかった。
自分は何をすべきなのか?
ベンが立ち尽くしていると、レイ、ジョプリ、メイが現れた。 彼らはベンの後をそっとつけ、ようやく現場に到着したのだった。
状況を理解するのに、時間はかからなかった。
ベンは打ちひしがれていた。
ジョプリとレイが近づき、彼を抱き起こした。
「ベン……大丈夫か? 何があったんだ?」
レイは周囲を見回しながら、まだ衝撃を引きずっていた。
「本当に戦ったのか……?」
ベンは数秒、沈黙した。 そしてようやく顔を上げた。
「信じたくなかった……」
声がわずかに震えていた。
「僕はフットボールのことばかり、自分のキャリアのことばかり考えていて……この亀裂に、何も気づいていなかった」
拳を握りしめた。
「でも、このままでは終わらせない」
ベンは空を見上げた。 まなざしにはまだ悲しみが残っていた。 しかし、何かが変わっていた。
目の前の事実に麻痺したままではいられないと、彼は拒んだのだ。 悲しみは、決意へと姿を変えていくべきだった。
メイは何も言わなかった。 ただ、ベンを注意深く見つめていた。
表面上は落ち着きを取り戻したように見えた。 だがメイは彼をよく知っていた。 その決意の裏に、依然として深い悲しみが潜んでいることを。
そのとき、彼女の携帯電話が鳴った。 画面を確認する。
「ママ?」
「メイ、大丈夫? ごめんなさい……パーティーは延期になりそう」
その頃、キムはスタジアムに残り、チームの他のメンバーと一緒にいた。 記者たちをうまくかわし、ロッカールームに入った。
中に入ると、思いがけない光景が広がっていた。 選手たちが全員、眠っていたのだ。 激しい決勝の後、疲労に負けてしまったらしい。
キムは彼らをしばらく眺め、それから微笑んだ。
「みんな寝ちゃってる……あははは!」
重い空気が、一瞬で和らいだ。 ベンでさえ、思わず笑ってしまった。
「俺のせいですね。すみません、コーチ」
「いいのよ、ベン。静かに起こしておくわ。あなたたちはもう帰って」
キムはベンの置かれた状況を知っていた。 会話を耳にしていたのだ。 キャプテンが何を抱えているかも理解していた。
彼女の微笑は次第に消えていった。 そして、真剣な口調になった。
別れ際に、最後の助言を伝えたかった。
「ベン」
若者は振り返った。
「あなたはチームのリーダーシップを取り、私たちを勝利に導いた」
キムは短い間を置いた。
「だから、コーチとしての最後の助言をよく聞いて……」
まなざしが厳しくなった。
「現状に安住しないこと」
ベンはわずかに目を伏せた。
「ありがとうございます、コーチ……」
控えめな笑みが浮かんだ。
「本当に、すべてに感謝しています……」
それが二人の最後の会話となった。 コーチと、彼女の主力選手との最後の言葉。 どちらも口には出さなかったが、何かが終わったことを互いが理解していた。
レイとジョプリは、この状況を受け入れられなかった。 キムの言葉を受けて、すぐに続けた。
「彼女の言う通りよ、ベン。あなたはもっと良いものを得る資格があるわ」とメイ。
レイが続けた。
「もし本当にやめるつもりなら、両親のことは……できる限り手伝う。わかってるだろ」
彼は真剣な目でベンを見つめた。
「ジョプリと俺は、いろんな家族を見てきた。親友同士が激しく引き裂かれるのも」
「レイ……」
ジョプリがベンに近づき、両肩に手を置いた。 そのまなざしは真剣そのものだった。 正しい選択をさせたいと、本気で思っていた。
「気に入らないかもしれないが……」
ベンが彼を見た。
「俺たち三人で話したこと……最初はただの冗談から始まったんだ」
ジョプリは一呼吸置いた。
「でも、もしかしたら、それを現実にすべきかもしれない」
ベンが眉をひそめた。
「話したことって?」
ジョプリは深く息を吸った。
「ベン……」
彼は真正面から視線を合わせた。
「もしラグジュアリーの世界で働きたいなら、考えた方がいい……」
短い沈黙。
「……自分のブランドを立ち上げることを」
ベンは動かなかった。
「自分のブランド……?」
メイもまた、沈黙した。 ベンが自分のブランドを……? 彼女は本気でその可能性を考えたことがなかった。
しかし、よく考えてみれば、あり得ない話ではなかった。 すぐさま別の思いが浮かんだ。 これほどの競争の中で、ベンが本当に存在感を示せるのだろうか、と。
ベンはすでに決断を下したようだった。
「ありがとう、ジョプリ……」
目を伏せた。
「実は、すでに考えたことはある」
そして顔を上げた。
「でも、もっと大切な夢がある」
そのまなざしは決意に満ちていた。
「両親と一緒に勝利することだ!」
拳を握りしめた。
「それが果たせたら、そのときまた別のことを考えるかもしれない」
ジョ baspriは微笑んだ。
「わかった」
最後にもう一度、友人を見つめた。
「それがお前の夢なら……全力で支える!」
レイも頷いた。
「帰って休め。状況は随時連絡してくれ。何時でも電話していいからな」
ベンは微笑んだ。 顔にはまだ出来事の影が残っていたが、今度はその目に希望が宿っていた。
彼は飛び立つ準備をした。
「メイ」
「はい?」
「彼らに電話してくれと伝えて。自分で説明する」
友人たちを見渡した。
「友人に隠すことなど何もない」
メイは頷いた。
「わかったわ」
こうして、感情の起伏に満ちた一日が終わった。 喜びから始まり…… 悲しみへ、そして憎悪へと至る一日だった。
ベン、レイ、ジョプリ、メイはついに別れ、それぞれ別の方向へと歩み出した。
――――
約30分の飛行を終え、ベンは地面に降り立った。 ここはドルト島。彼がフットボーラーとしての給与で買った、美しい家がある場所だった。
しかし、神経の疲労が徐々に襲ってきた。 庭を横切るとき、危うく自分のプールに落ちそうになったほどだった。
「おっと……」
それでもベンは歩き続けた。 ゆっくりと。 非常にゆっくりと。
ようやく家に到着し、中に入ると、ソファに倒れ込んだ。 静寂が彼を包んだ。
「やりすぎているのかもしれない……」
動かずにいた。
「腹も減っていない」
沈黙。
「何もしたくない」
再び思考が巡り出した。
なぜだ? なぜ、こんな状況に置かれているのか?
そして、母の顔が蘇った。 あのまなざし。 憎悪に満ちたまなざし。 母が見せた、あの目……
ベンは目を閉じた。 演技ではなかった。 母が決して引かないことを、彼は知っていた。 父もまた、同じだった。
父もまた。
ベンは唾を飲み込んだ。 殺すだろう……間違いなく。
落ち着こうと努めた。 考えようとした。 しかし、感情がついに勝った。
「俺たちは家族なんだ!!!」
拳がテーブルを打った。 上に置かれていた紙が飛び散った。
ベンは激しく息をしていた。 やがて徐々に落ち着きを取り戻した。
「レイとジョプリを、この争いに巻き込みたくはない……」
散らばった紙を見つめた。
「でも、彼らはこの生き方を選んだ」
一呼吸。
「僕もまた、選んだように」
この生き方…… その言葉が頭の中で響いた。
キムの助言。 ジョプリの言葉。 両親の戦い。 すべてが混じり合っていた。
そして、ほとんど無意識に…… ベンは鉛筆を拾い上げた。 一枚の紙を取り、描き始めた。
理由もわからぬままに。
一つのスケッチ。 また一つ。 やがて、紙の上にただ一つの言葉が現れた。
Vie.
ベンはその言葉を見つめた。
「僕はこの生き方を選んだ……」
考えた。
「彼らもまた……」
視線が自分の絵に落ちた。
「これは僕の人生であり……」
短い沈黙。
「……彼らの人生でもある」
ベンは二つの言葉を、Tシャツのスケッチの上で結びつけた。 それを眺めた。
LEUR + VI
(フランス語で「時」は l’heure。そして「life」という単語は vie と発音される)
二つの言葉。 一つの考え。 一つのアイデンティティ。
LEURVI. ルルヴィ
この融合は、重要な何かを表していた。 力を。 自らの運命を選択する勇気を。 そして何より…… 常に前へ進み続ける意志を。
ベンは最後にもう一度、その絵を見つめた。 そして、その名を口にした。
「LEURVI」ルルヴィ
こうして、この言葉が生まれた。 やがて単なる名前以上のものとなる言葉が。
LEURVI. ルルヴィ
続く。
コメント
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うわあ、第3話、重かったですね…。ベンの心の揺れがすごく伝わってきました。特に、両親の戦いを目の当たりにして「俺たちは家族なんだ!!!」って拳を机に叩きつけるシーン、胸が詰まりました。でも、そこから「LEURVI」って言葉が生まれる流れ、すごく好きです。悲しみが決意に変わっていく瞬間が、丁寧に描かれていて感動しました。続きが気になります!