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「阿部君、お願い!付き合って!///」
男子校に通っている阿部は
顔が可愛く、中性的…
しかも…分け隔て無く
皆んなに、いつも優しくて…
影ではファンクラブも、出来ていた
ある朝、登校すると
下駄箱で…急に腕を掴まれた
「痛い!お願い、離して下さい!」
何度頼んでも、聞いてもらえず…
「付き合うって言ってくれるまで、絶対に離さない!」
そんな事を、言われてしまう
『痛いし、怖いし…。誰か、助けて…!』
どうやら相手は、同級生で
ずっと俺の事を思ってくれて…いたらしい
その時
「好きだったら、何しても許してもらえるって…思っているのが、許せねぇ…」
相手の腕を捻り上げ
照が俺を救ってくれた…
「覚えてろよ〜!」
それは、悪者の言う台詞だろう…
岩本は床に置いた、自分の鞄に付いた埃を払っている
「あの…照、ありがとう…」
「だから、一緒に行こうって言ったのに…。何で少し位、待てなかったんだ…」
俺達は、自宅が近く仲も良い
「だって…。今日の分の予習、しておきたくて…」
「そんなのしなくたって、お前なら問題なく答えられるだろ?」
阿部は、この学校…始まって以来の秀才で
将来を期待されている、優秀な生徒
一方俺は、運動と食欲以外に取り柄のない
ただの高校生のガキだった…
「照だって、ちゃんとやれば出来るのに…。昨日も遅くまで、走ってたの?」
「ああ、うん…まあね…」
「トレーニングの時間を、少しだけ勉強に…充ててみるとか…」
「それなら阿部も、勉強の時間を…身体を動かす事に使ったら?ずっと勉強してると、疲れるだろ?」
何もかもが正反対でクラスも別の2人だが…
どうしてなのか、仲は良い
モテる阿部の虫除けとして
照は、いつも俺の側に居てくれた…
そんな関係が、急に変わってしまったのは
その日の夕方…
俺が、勉強のし過ぎで…
教室で、うたた寝をしていると
「?」
頬に何やら、柔らかいモノが触れた気がして
目を覚ます…
「んっ?…照?」
俺が、そう呟くと
【ガタ!ガタン!】
照が、慌てて立ち上がる
「待って…。お前、いつから起きてた?///」
「今、だけど?」
「今…あの…俺が…。あぁ!何でも無い!今日は俺、先帰る!///」
「あぁ…えっ?ちょっと!待ってよ!照!」
真っ赤な顔して出て行く、照を
俺は呆然としながら、見つめていた…
それからだ…
照が、俺に必要以上に…近付かなくなったのは…
理由を聞いても、はぐらかされて
ついに、全く会えなくなった…
「照!もう逃げられないよ!」
昼休み、隣のクラスに押し掛けて
照を外へ連れ出した…
「最近、どうして俺を避けてるの?」
聞いてみても、返事をしない…
「何を隠してるの?ちゃんと言ってよ!」
珍しく、俺が睨みを利かせて…そう言うと
「だって俺は、虫になったから…」
訳の分からない事を、言われてしまう…
「何なのそれ…。もっと俺にも分かる様に、説明してよ!」
「虫だよ!虫!お前に群がる、悪い虫!それに、俺もなったんだ…///この意味分かるか?秀才さん…」
照の大きな手が、グッと俺の腕を掴んで引き寄せて
気がつくと俺は…照の腕の中に、抱き締められていた…
「えっ、照///これって一体…」
「まだ、分からないのか?これなら…どうだ?」
照は、俺の顎に手を添えて…
「んっ…///」
優しく一度、キスをした…
「これで理解したか?もう帰れ…」
その後…照は押し出す様に、その身を離し
突き放す様な言い方をした…
「何で?話は、終わって無いよ?」
「は?まだ、分からないのか?」
「分かって無いのは、照の方でしょ…。俺ね、その虫好きだよ…。虫が、照なら尚更ね///」
まさか、阿部の口から
そんな言葉が出るとは思わずに…
岩本は、呆気に取られ
立ち尽くしている…
「あれ?まだ分からないの?鈍いなぁ…」
阿部は、俺の側に寄り
チュッと頬にキスをした…
「この前の。俺が本当に、気付いてないと思ってた?」
ニッコリ笑う、その姿に
思わず俺は目を奪われた…
『とっても甘い、蜜の匂い…』
その蜜に、集まって来る虫達は…
その中毒性に…やられてしまう
「ね。これで、分かってくれたかな?これからも…照は、ずっと…俺の側にいて欲しい///」
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