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アカリ「え?」
と、朱里は素っ頓狂な声をあげる。
当たり前か、ヒーローの卵が犯罪者組織に入りたがっているんだしな。
自分「で、いいのか?駄目なのか?」
アカリ「えっと。入って貰えたら嬉しいんだけど、私の一存で決めるのはなぁ。」
自分「嬉しい?何か利点があるのか?」
アカリ「まぁ、貴方は強いし頭数はあるだけいいからね。」
なるほど、確かに質はかなりいいが数が無ければ意味が無いか。
アカリ「でも、殺される可能性もあるよ?」
自分「それは大丈夫だろ。」
アカリ「なんで?」
朱里は聞いてきたので、恐らくは合っているだろうその言葉を述べる。
自分「お前たちの目的は殲滅ではなく勧誘、違うか?」
アカリ「なんでそう思うの?」
自分「まず、僕たちの学校を襲ったのに対して、殲滅が目的ならお前1人には任せないだろう?」
自分「お前の能力は殺傷能力こそ高いが近づかれては使えない。」
自分「それに、この警察署の襲撃もあまりにも人数が少ない。」
本当は他にもあるんだが、
自分「そこから推測するに、お前たちは組織に入る強力な能力者を探している。違うか?」
アカリ「私は目的は分かってないから、知らないけど、多分そうなんだろうねぇ。」
自分「……で、僕は組織に入れてもらえるのか?」
アカリ「まぁ、連れて行きはするけど入れるかは分かんないよ?」
自分「別にいいさ。最悪、ボスに交渉すればいいだろう?」
アカリ「もうすぐ、迎えが来ると思うから。」
自分「そうか。」
自分(迎えという事は移動系の能力者か、頭数は少ないようだが質と種類はいいな。)
アカリ「あっ、」
朱里が声を発する。と同時に僕の視界は暗闇に包まれた。
アカリ「もう、勝手に眠らせないでよ。」
???「すみません。ですが、知らない者がいたので。」
アカリ「その人は加入者よ。連れて行って。」
???「分かりました。部屋に入れときます。」
アカリ「殺したらダメだからね。」
???「承知。」
どれだけの時間が過ぎただろう?
目が覚めると僕は石造りの個室にいた。
自分(………組織のアジトか?にしても暗いな。)
…………手が動かない。
どうやら、手錠で壁に固定されているようだ。
自分(迎えいれては貰えないということか?)
目の前の扉が開く。
???「あら、目が覚めたの?」
自分「………これは、驚いたな。」
扉から姿を見せる人物を見て、僕は言う。
自分「まさか、あんたがここの1人とはな?」
???「貴方、私を知っているの?」
自分「知ってるもなにも、有名人だからな、あんたは。」
そう、この女はテレビで話題になった元ヒーロー、楓(カエデ)、弓を使う能力者だ。
カエデ「そうなの。けど、あなたが知っているのはヒーローの私?」
自分「そうだな。ヒーロー以外は知らない。」
カエデ「残念だけど、私はこっちが素なのよね。失望した?」
まさか、ヒーローが犯罪者だったとはな。
自分「いや?誰であれ、秘密はある。」
カエデ「そう。まあ、残念ながら貴方は組織に入れないのよね。」
自分「その理由は?」
カエデ「ボスがあなたを信用していないのよ。」
カエデ「けど、これから質問をして、正直になったら組織に入れるわ。」
正直になる?質問なら、正直に話すではないのか?
自分「質問ってのは?」
カエデ「あなたの目的を教えて欲しいの。」
自分「嫌だね。それは言えない。」
カエデ「まぁ、いいわ。これからじっくり聞いていくから。それに、私に勝てても入れるわよ?」
勝つ、この女に?ヒーローに勝てというのか。無理だな。
これは、相手が折れるのを待つべきか。
カエデ「さて、質問を始めましょうかしら?」
そう言って楓は、そばにある台からナイフを取り出した。
自分「何をするつもりだ?」
カエデ「質問よ?」
そう言って楓はナイフを、僕の足にナイフを突き立てた。
自分「っっっ!」
激痛が走る。もろに神経に刺さったようだ。
カエデ「正直にならないと毎日するわよ?」
この激痛を毎日は嫌だな。だが、僕にも意地がある。
そうして、僕は笑みを浮かべて、言った。