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「奈美……」
豪は、彼女の名前を零していた。
無防備に眠る彼女の汗ばんだ額に、そっと唇を落とした後、彼はベッドから抜け出し、シャワールームへ向かう。
シャワーを全開にした後、豪は激ったモノを掴み、熱を放出させようとしていた。
先ほどの行為を思い出しながら、彼は、ひたすらに扱き続けている。
白く滑らかな肌、色を帯びた声と吐息、いかがわしく捩らせる、細い肢体。
快楽に溺れた、奈美の艶かしい表情。
豪が彼女をオカズにして、シャワールームで自慰行為をしているなんて、奈美は思いもしないだろう。
「っ…………ぐっ……」
生々しい記憶のせいか、彼はすぐに果て、白濁した穢れを放つ。
豪がエロ系SNSに登録したのは、恋人と別れたばかりで、気軽に関係を持てるセフレが目当てだった。
だが、口淫だけの関係を希望している奈美と出会い、しかも可愛い容姿に一目惚れの状態。
彼女と関係を続けるとしたら、クンニの後、シャワールームでの自慰も、漏れなく付いてくる事になる。
(俺はそれで納得できるか? 我慢……できるか…………?)
だが、奈美に会えるのならば、大した事のないように思えた。
彼女に口淫するだけでなく、触れられるだけでも、顔を見られるだけでもいい。
奈美の事を、もっと知りたいと思う自分が、そこにいた。
(こんな気持ちになるとはな……)
豪は、勢い良く注ぎ続けるシャワーの中に、身を投じた。
ガウンを羽織り、ベッドへ滑り込むと、奈美はまだ眠っている。
スマホを手に取り、メールを確認した。
先日、急ぎで依頼した仕事が滞りなく終わった、との連絡が入り、ひとまず安心する。
気が緩んだせいか、急激に睡魔が襲い掛かると、彼は目を閉じ、眠りに堕ちていった。
隣に人が蠢く気配を感じ、脳内が覚醒していく。
「ん……」
豪はゆっくりと目を開き、奈美がいる方に寝返りを打つと、彼女は既に起きていた。
「奈美さん、目が覚めたのか?」
「はい。今さっき起きたところです。私……けっこう長く寝てました……よね?」
「二、三時間は寝てたかもしれないな」
彼女が眠った後、シャワーを浴びて、そのまま寝た事を伝える。
身体を起こし、額に掛かる髪をクシャっと掻き上げると、奈美は豪の格好を見て顔を赤らめ、顔を逸らした。