【第33話・共喰③】
「おはよ、お待たせびーちゃんご飯の時間だよ」
莉乃の優しい声にびーちゃんは飛び起きた。
スーツケースから外の世界へと脚を一歩踏み出した。
「……雨降りそうだね」
手を伸ばせば暗雲を掌で捕まえることができそうなくらいに、夜空は低く圧迫感を増していた。
人気のない暗いグラウンドを歩く。
莉乃と英人の足音とびーちゃんの可愛らしい歩き方。
すぐに飼育小屋に辿り着いた。
何度目かのびーちゃんの登場に兎も鶏も萎縮しているようだった。
莉乃はいつもの手順で飼育小屋の扉を開けて中から怯え切った兎を取り出した。
クンクンと鼻を動かしてぽろぽろと小豆より一回り大きい糞を何個か落とした。
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