カップにお湯が注がれる音で目が覚めた。
温かい緑茶の香りが鼻孔を擽る。
もぞ、と足を引き寄せた。
眉間に皺を寄せ、意味もなく喉を唸らせてから、ゆっくりと目を開ける。
「う、ん……」
目を擦り、瞬きを繰り返しながら、焦点を合わせる。
見慣れない景色に、疑問符が浮かぶ。
ああそうだ、研修に来ていたんだった。
自分の部屋ではなく、ホテルであることには気づいたが、それでもまだ何かが変だ。
何だろう、私の部屋とは家具が真逆に位置しているような。
ベッドに手をついて、身体を僅かに押し上げると、シーツが擦れて音を立てた。
「瑞希、起きたのか?」
突然声が聞こえたことへの驚きよりも、馴染みの声への安堵が勝った。
「そろそろ起こそうかと思ってた。具合はどうだ?」
「具合……」
別段、気になる不調はない。
顔にかかる髪を避けて、*****
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