テラーノベル
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この世界は未だ未知にまみれている。彼らの生存は、この世界では望まれないものとされている。
この惑星、第二の地球とは今から約100年ほど前に異星人と言うやつらの交渉が失敗したことにより、異星人が第2の地球を侵略する戦争へと至った。
今の戦況でいえば少しこちらがおしている。だが、油断してはならないと教えられている。私たちは、この戦争を終わらせるための兵器であるから。
この領土争いを終わらせるための兵士であり兵器。けれど、この時はまだ知らなかった。
私たちの行く末なんて。
「そんなのあんまりではないですか!!」
そんな怒号が部屋の中を響かせる。その声を鳴らした人物は2号だった。2号の前にいたのは、核体兵器ではなくただの人だった。
「君たちひとりひとりにどれだけの資金と時間が費やされたと思っているんだ。あくまで君は兵器である。意志を出せば、場合によっては処分だ。」
2号は隠しきれないほどのいらだちを自身の拳に収め表情を無にした。
「わかりました。では、失礼します。」
2号は、管理室を出ると大きく溜息をついた。手のひらには爪の跡が残ってしまった。いらだちを壁にぶつけたい気持ちを抑えてさらに溜息をついた。
ちょうどそこを134号が通りがかった。こちらをみるなりニヤついて今にもダル絡みしてきそうだ。
「おやおや〜?2号さん随分とまぁシケた面してるけど大丈夫ですかぁ〜?」
この男年下の癖してからかってきやがる。服にはベルトの装飾品がうっとうしいほどついてる。こればかしは、服を作った人の趣味しか感じないし、そこだけは可哀想ではある。
「大丈夫、あと話しかけるなついでに殴らせろ。」
「そんなに僕に話しかけられるの嫌なの!?」
2号はそうだけど?と言わんばかりの顔で睨む。けれど134号は、平気な顔でニヤニヤしている。
あいからわずムカつく顔してやがるのに無駄に容姿が整っているからさらにムカつく。
2号は134号の顔をガシッとつかんで頭をグラグラ縦に揺らす。
「ちょっ!!うげぇぇぇ!!脳震盪で死ぬぅぅぅぅぅ!!!」
「核体兵器は、コアが破壊されない限りは死なない。というより、この程度じゃ脳震盪なっても死なない。」
やかましいから手を離した。これから何があっても絶対こいつとだけは任務したくない。
134号がめっちゃベタベタくっついてきて嫌すぎる。誰にでもこんな態度とって色々危ういから見てらんない。
すると134号がうげっ!という声をあげ、2号から離れた、というより離された。134号の首根っこを掴んだのは130号だった。
130号は真面目なのか不真面目なのか分からないが常に134号の面倒を見ている。一番134号にベッタリくっつかれてる奴だ。134号はやっぱり男の子の方が好きだと思う、いっつも130号にベッタリだし。
「2号さん、すみません。こいつのせいで不快な思いしましたよね。僕からしっかり言っておきますんで。」
「なんだよそれ〜。僕の脳みそが震わされたことに対しての心配の言葉とかないの〜?」
130号は冷たくないと答える。2号は下らないと吐き捨て、その場から離れる。その背中を130号は、冷ややかな視線で見つめていた。
[3号の記録を開始]
現在:3918年3月1日 19:01
被検体:RCU-003/AD-3902
「2号が君の身を按じていたのか、我々に抗議してきたとの報告があがっている。心当たりは?」
2号はバカみたいにお節介だ。バカだバカだ。こんな事すれば、上からの評価が下がるどころじゃない。下手すれば処罰を受ける事だってある。
「よく…わかりません…。」
「君はただの実験体であり兵器だ。」
そんな事わかってる。そんなことくらい…、わかってるのに…。
この無機質な空間での意味のない会話。この記録をわざわざ取るってことは近々戦闘があるから、覚悟しておけよという戒めみたいなもんだろう。
「君は2号のことをどう思っている?」
また、この質問だ。こんなのどうも思っていないって言った方が印象はいいに決まっている。だが、反面嘘が付けない場所でもある。向こうは嘘を平気で見抜いてくる。それだけ侮れない。
「2号は、お節介でその優しさが自分には痛くて苦しい。」
2号の優しさに1秒でも触れていたくない。その優しさは触れて”痛い”ものだから。
「では、君は2号とどんな関係でいたい?」
「できれば、自分とことを見て欲しくないです。」
また律儀に記録なんて取って。音声でも音声入力でも直筆でも記録を取るなんて厳重なんだ。
「君は、人が目の前で死んだ時どう思う?」
人が目の前で死んだ時───
そんな質問をされるのが初めてだったせいが頭の中が動揺してこんがらがる。
『例えどんな死でも、黙って耳を塞いでいるような愚劣はしません。』
頭の中で繰り返す。頭にこびりついて離れない言葉だった。
「変な情が移って…しまったんです……。」
「そうか。君は我々の財産だ。極めて希少なモノを2号のようなぼんくらに汚される訳にはいかない。あいつは失敗作だよ。作るべきでなかった。」
財産だなんて圧をかけられてもそれに答えれない。何度聞けばいいんだ。2号はどうしてそんなにも虐げられているのだろうか。
失敗だなんてそんなことを言わないでやって欲しい。なのに声が出ない。
「それから、任務の話だ。────としての任務は予定されていた通り実行しろ。」
「わかり…ました…。」
現在:3918年3月2日
『2号は作るべきでは無かった。失敗作だ。』
頭の中で繰り返す言葉。耳から離れないあの冷ややかな声が、私の頭の中で響いていた。
10日後に新たな任務があると言われた。任務内容は、砂漠地帯第31区の調査だとか。
調査って嫌なんだよね。ほとんど野宿が多いし、ていうかなんで私みたいな攻撃をメインとしたユニットを編成したんだか。2号は失敗作やらなんやら言うわりには、随分とまあ乱用しますよね。
3号との行動は気まづいな〜。あの子はもう、使いもんにならないだろうに。なんて酷いよね、流石にそんなことまでは言わないけどさ。
核体兵器は、戦闘で死ぬことはあっても、その後は戦闘不能になるとは限らない。核体兵器の心臓部ともいえるコアが破壊されない限りは死なない。
まるで、コアは私たちの魂を縛るような呪縛で束縛で、私たちを人ならざるものにしている。
核体兵器は、コアのエネルギー供給を受けて身体能力やか回復能力を驚異的なものにするやらなんやら。でも20歳になるとコアが動かんくなるやらなんやらで、20歳になると退役になるんでしたっけ。
けど、ほとんどの場合20歳になるまでに戦死するらしい。ま、20歳まで生かそうという気があるのかは甚だ疑問だが。
『あぁ、救世主様。私たちをどうか…お助け下さい。』
『とある異星人は悔悟し、懺悔しました。』
『罪過を繰り返す者たちは、愚心に染まっていました。それは、まるで…』
『それは、まるで人類のような行動だった。』
『醜い感情が蠢いては結び合わさって、心の中の数え切れない無数の闇が増えていくだろう。』
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