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第三章 はぐれ者編
第七話「襲撃」
防衛軍本部。
隊長会議を終えた直後だった。
突然、建物全体が大きく揺れる。
ドォォォン!!
「何だ!?」
隊員たちが外を見る。
空が赤黒く染まり、巨大な魔法陣が防衛軍本部を包み込んでいた。
ネイトが目を見開く。
「この空間の歪みは……!」
ケイトは剣を抜く。
「全員、警戒しろ!」
その時だった。
遠くのビルの屋上。
虚飾が静かに手を掲げる。
「――転移。」
一瞬で世界が赤く染まる。
バシュン!!
眩い光が本部を飲み込んだ。
「しまっ――!」
ケイトが叫ぶ間もなく、全員の姿が消えた。
⸻
ケイト
目を開けると、そこは崩壊した闘技場だった。
目の前には、一人の男。
マフィアのボス。
意思はなく、ただ虚飾の命令だけに従う操り人形。
ケイトは静かに剣を構える。
「……お前が相手か。」
⸻
ラント
廃工場。
「ここは……。」
ラントの前に現れたのは、
ゴッド。
デッド。
二人は無言のまま武器を構える。
ラントはため息をついた。
「また、お前たちか。」
⸻
黒のユーマ
人気のない路地。
「みんな……どこだ。」
周囲を見回すユーマ。
足音が響く。
コツ……コツ……。
現れたのは、一人の男。
ザッド。
ザッドはユーマの顔を見ると、目を細めた。
「……その顔。」
「なるほど。」
ユーマは能力『夢』で一振りの剣を創り出す。
ザッドは静かに笑った。
「黒のラン……。」
「いや。」
「古流斬の息子か。」
ユーマは驚く。
「父さんを知ってるのか!」
ザッドは剣を抜いた。
「知っているとも。」
「私は、あの男と戦った。」
「英雄の息子。」
「その実力、見せてもらおう。」
⸻
防衛軍
ジョト。
ネイト。
ダッド。
バッド。
四人が転移した先には、数十体の虚飾の分身が待ち構えていた。
ジョトは構える。
「本体じゃないか。」
ネイトは冷静に分析する。
「全て分身です。」
ダッドは拳を鳴らす。
「数が多いほど燃えるな。」
バッドは刀を抜く。
「一気に片付ける。」
⸻
高みの見物
街を見下ろす高層ビル。
虚飾は血で作った椅子に腰掛け、戦場を眺めていた。
「ケイトにはボス。」
「ラントにはゴッドとデッド。」
「英雄の息子にはザッド。」
「残る隊長には私の分身。」
虚飾は満足そうに微笑む。
「これで戦場は完成した。」
「さあ、防衛軍。」
「絶望の幕開けだ。」
――第八話へ続く。
コメント
1件
いやあ、第55話、読み終えました。いきなり全員が別々の場所に飛ばされて、一気にバトルロイヤル的な展開になるのは胸が熱くなりますね。特にユーマのところに現れたザッドが、父・古流斬を知っているという伏線がすごく気になります。英雄の息子って言われて、ユーマ自身も驚いてましたし、ここからどういう過去が明かされるのか……。虚飾の計画が一枚一枚進んでいく感じが、嫌な予感しかしないけど続きが気になります!