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「!」


焦る岩本…

慌てて、走り寄ろうとするが…それよりも早く、渡辺が動いた


「ごめん…目黒とは付き合えない。俺、情けないけど…まだ照の事が好きなんだ…」


目黒の胸を強く押して身を離し…驚いている目黒に、もう一度頭を下げて謝っている


重くなる空気…続く沈黙…

そんな時、誰かが背後から渡辺の腕を強く握る


「照…!どうしてここに?」


驚いているのは目黒も同様で、こちらを見て目を見開いている


「翔太、ごめん…。翔太が目黒の家に居るって聞いて、俺…居ても立っても居られなくなって…」


岩本の言葉に目頭が熱くなる


「でも俺、照に酷い事…」


距離を置こうと言ったのは自分の方で、それなのに戻りたいだなんて言えるはずも無い…


「そんなの気にしなくて良い。俺だって、翔太に隠し事してた訳だし…」


そう言った岩本は、強引に腕を引き…渡辺を自分の方へ引き寄せた


「悪い目黒…。やっぱり俺は、翔太の事を手放せそうにない…」


目黒の目を見てハッキリ告げると、目黒は辛そうに目を伏せた


◇◆◇◆


【1人になりたい】と言った目黒を置いて

2人は並んで公園を出る…


今度はタイミング良く見つかったタクシーに乗り…岩本の家に到着した


「翔太?」


鍵を開けても遠慮して、中に入ろうとしない渡辺に苦笑いして…手を引いて中に入れた


「ほら、座って」


立ったままの渡辺をソファーに座らせて、その前に岩本が膝立ちになる


「翔太…良く聞いて。俺は、翔太ともう一度やり直したいと思ってるけど…翔太はどう?」


優しく、諭す様に問いかけると


「俺も…照と一緒に居たい」


素直な気持ちを聞かせてくれた


「翔太、愛してる…」


隣に座って、抱き寄せると…それを受け入れ身を寄せる


「キスして良い?」


にっこり笑って、そう聞くと…頬を染めて頷いた


「んっ…はぁ……」


触れるだけの優しいキス…

たったそれだけで、胸の奥に燻っていた醜い物が…スッと溶けて消えて行く様な気がした


「ねぇ照、俺…頼みがあるんだけど…」


腕の中の渡辺が、見上げながら喋り出す


「ん、何?」


「今度から、嫉妬した事や嫌な事があったら…全部、隠さず話して欲しい」


今回の一件は、目黒の事を岩本が渡辺に隠した事が発端である…

もう2度と、そんなすれ違いを起こさない為にも…相手の気持ちをちゃんと知っておきたいと思ったのだ


「俺の思ってる事…何でも良いの?」


「うん」


「だったらさ…翔太に俺も一つ頼みと言うか、お願いがあるんだよね」


「お願い?」


「あのさ…翔太が恥ずかしがり屋なのは分かってるんだけど…もう少し、愛情表現をして欲しい」


「なっ…///」


渡辺は岩本のお願いに、早速照れて固まってしまう


「まぁ無理にとは言わないけど…」


そんな事を強要して、今度こそ気持ちが離れて行っては敵わない…

岩本が、そっと渡辺の様子を確認すると


「分かった…善処する」


まさかの快諾に、夢を見ているのかと驚いていると…

拗ねた渡辺が岩本の頬を抓って【これでも夢か?】と、問い掛けて来た


「ねぇ翔太…この間のやり直し、しよ」


岩本が…頬にあった渡辺の手に、そっと触れる

前回は、目黒の事もあり…お仕置きばかりを優先させて、愛する事を後回しにしてしまっていた


「あの時の上書き…してくれるのか?///」


恥ずかしそうに上目遣いて聞いて来る渡辺を抱き締めて


「勿論、今度はう〜んと優しくしてあげる」


そう耳元で囁くと、渡辺の身体を持ち上げて…そのまま寝室へと足を向けた

寄り添う2人 【第四章・愛するが故に…】

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