???「雫さんから頼みがあるそうだぞ?」???「えぇさっき聴いたわ」
???「…………」
今回のお話は、「雨花」、「桃時」、「兎白」が一年生になった半ばの頃の話である。
桃時「じゃあ行きましょ」
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???「雨花、桃時、兎白。来てくれてありがとう。早速だが三人に頼み事を聴いてもらっても良いだろうか?」
ここは校長室。
当時の校長は、「雫」である。
桃時「はい、聴かせてください」
兎白「俺も同じくです」
雨花「…………どうぞ」
雫「ありがとう。では君たちには……」
「「幼等部の先生の手伝いをして欲しい」」
雨花「え」
桃時「幼等部……?」
兎白「何で俺たちに?」
雫「前に妖怪たちとの共存するための組織を作ってもらいたいと話したね。そのためには、妖怪たちだけじゃない。人間からも信頼されなくてはならない。そのための一歩として幼等部の子たちと関わって欲しいんだ。それに妖怪と人間の署名活動も行って欲しいしね」
兎白「なるほど……分かりました。やらせて下さい」
桃時「正直ガキと遊ぶの苦手だけど……まぁいいわ。やりましょ」
雨花「…………わたしはやりません」
雫「どうしてだい?」
雨花「……わたしは…………恐い」
桃時「恐いって……どういうこと?」
雨花「……あんな小さくて……傷つきやすいもの……壊しちゃいそう……だから」
雫「……でも、君……保育士を目指していたんだろう?」
兎白「え!そうなのか?」
雨花「よくご存知ですね」
桃時「何で目指してたの?」
雨花「…………分不相応なことだよ」
雫「まぁ何にせよ。君は子供好きなんだろう?そのことは変わってないはずだ。雨花の傷つけたくないという気持ちを伝えてみれば子供たちも気づけるはずだ。……子供が大人のことをよくみているのは知ってるだろ?雨花なら」
雫は優しく微笑む。雨花をみながら。
雨花「…………探し物のヒントをくれるなら」
雫「!、ふっふふ。君は本当に「紫雲雨花」だ。良いよ。教えてあげよう。……桃時たちは一旦理事長室の外で待っててくれ」
桃時「分かりました」
兎白「では、また」
桃時、兎白は去っていった。
雫「入ってきて欲しくないところには入ってこない……それは二人の良い所だね。」
雨花「…………」
雫「ではヒントを教えよう。それは……」
『新月の反逆者の元、願い事来たる』
雨花「(確かこの学校の歴史の本に……西洋にある姉妹校に保管されてる『レブルキー』は神々の世界では反逆者の印として使われていた。そして、新月の気を集めると何かが起こるってあったはず……それを手に入れれば、もしかして……)」
雨花は考え込む。
雫「まぁそんなに躍起になるものじゃないよ。少しずつ探しなさい。……まぁ私としては探して欲しくないけれどね」
雨花「…………いえ、大丈夫です。わたしは絶対探し出して、わたしがこの場所にいたくない、いちゃいけないことを証明させます。何が何でも。……そうじゃないとわたし……は…………」
雫「…………ここが君にとって”居ても良い”と想える居場所になることを祈ってるよ」
「では、桃時たちを呼んできて貰えるかい?」
雨花は、ふつふつと学校への葛藤を募らせていったのだった。
【続く】
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