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めでたくお付き合いした矢太郎とそよ、二人は記念として少し遠出することになった。紅葉が綺麗な温泉街に行くことにした、当日二人は駅で待ち合わせて電車に乗った。三時間程揺られそろそろ話の話題が無くなるころ乗り換えの駅に着いた、駅弁が売られていた。こういう所の謎の誘惑は凄まじいものだ、二人は人気の弁当を2つ買い電車を乗り換え揺られながら食べた。電車で食べるからかいつもと違う状況で食べるとより美味しぬ感じるのはよくあることだ、温泉街に着き硫黄の香りが鼻の奥を差す。予約していた旅館に荷物を置き温泉街を歩くことに、さまざまな効能があり迷いながら肩凝りにきく温泉にした。二人は記者の仕事をしているためやはり肩が凝るらしい、紅葉に電球で光を当てられ夜でもよく見えた。露天風呂には椛も湯に浸かっていた、そよとは入り口で別れて再会したのは風呂から上がった後だった。矢太郎はそよがいつもと違うそよを見て動機が隠せなかった、そよは湯で火照った顔のせいか少し色っぽく見えた。矢太郎はそよに瓶入り珈琲牛乳を渡した、その後は涼しい秋風に吹かれまた温泉に浸かりに行ったり、ご飯を食べたりした。これ程に幸せな時間は当分ないと感じた、矢太郎達は旅館に戻りその日は寝た。矢太郎が起きたのは8時頃だった少し寝すぎたかと起き上がり、そよを探した。部屋にはそよがいなかった、その代わり置き手紙があった。どうやら朝風呂に行ったらしい、眠い目を擦りながらフロントに降りた。まだ夢を見ているようだ、そよがフロントで寝ている変な夢だ周りに人が集まっている。そよを起こして部屋に戻ろうと呼び掛けたが反応がない、よく見ると椛のように赤く染まっていた。フロントの横で誰か取り押さえられている、朱色の金魚がそよの周りを漂っていた。矢太郎は何かに操られるかのやうに取り押さえられている男を殴っていた、旅館にいた客に取り押さえられるまで殴った手に青アザが出ても何も感じなかった。その後のことはあまり覚えていない、確かなのは夢ではなかったことだ。矢太郎は何かが切れる音がした、でも頬が常に濡れていた。気付くと矢太郎は自分を包丁で切り付けようとした、できなかった。何故かできなかった、矢太郎はいつしか仕事場にもいかなくなった。探偵事務所の郵便受けは紙でいっぱいになっていた、矢太郎は気付くと何かを編んでいた。何日も何も食べずに、編み終わった何かで矢太郎は括っていた。
翌日新聞の一面に恋人を亡くし悲しみで自殺した男が載っていた。