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「「オッジャマシマァース!!」」
耳を劈くような甲高い機械音。
液晶に映し出された顔を模した光が動く。
生徒の誰かが、叫び出した。どうやらパニックに陥ってしまったようだ。美しい夕日に照らされていた”神秘的”な教室は今や、影も残っていない。
突如として、光がこちらを向いた。瞬間、その身体とも言えぬ体から、図太いコードに繋がった金属的な塊が伸びてきた。
それは、俺の隣…
ギャルの方に激突していった。
「!!!」
声にさえならない声をあげ、彼女は逃れようとした。そして、
割れてしまった、壁だった枠をすり抜け、
宙を舞った。
必死に翼を広げ、重力に抗った。
が。
「「エイ!!」」
無情な電子音。追撃が来る音がした。
追撃は、来なかった。
もうひとつ横にいたモココが、勢いよく目の端を横切った。彼女がこちらへ戻ってくるのを援けるために。
俺は、機械へと振り向いた。
カユ先生が、ナイロンの糸のようなものを強く手繰っていた。その先には機械が出したであろう金属の塊。
それから先生は、まるで「蜘蛛」の様に飛び上がると、糸に繋がれた金属を操り、機械へ返した。
ギャン、という金属のぶつかった後、金属のみが落ち始めた。
先生は、プツリと糸を切ると、顔を曇らせた。
少しの間を置き、
機械の猛攻が投げられる。
先生は、その異様に硬い糸を使い、跳ね除けることしか出来なかった。
このままじゃ、先生が負ける。
それを眺めるしか出来なかった間に、流れた授業の記憶が蘇った。
この機械は多分、「抵理軍」ってやつだ。
この【天界】の仕組みに反し、乱そうとするもの。その為に、生物としての見た目も捨ててしまっているのかもしれない、
考えるしかできない俺の後ろから、走り出した人物がいた。女子だったが、俺より断然鍛えている体つきだった。
割れた教室の壁から躊躇いもせず飛び出し、4枚の翼を広げて機械へ翔ぶ。
それに気付いた機械は、先生への攻撃を止め、対象をそちらに移した。
その瞬間。
彼女の見事なまでの回し蹴りが、機械へと浴びせられた。
食らった画面は瞬く間にひび割れ、動いていたそれは、いかにも漫画のように堕ちていった。
暫くの間、皆が固まっていた。恐怖が残り続けている者もいたが、大抵の理由が「呆気なさ」だった。
そんな時、夕空の遠くに、見覚えのある紫の点が。
なんでだろう。安心感を覚えてしまった。
次回へ続く