第15話
父との約束
ひ『…』
ひとらんらんは、王室の前に静かに立っていた。
ガチャ…
王『…何か用か?』
ひ『…ほーんと、バカな王様だよね。あんた。』
王『は?(殺気)』
ひ『…そんな殺気程度で僕の精神が壊れるとでも?w』
王『決めた。お前は殺す。絶対に。』
ひ『やってみなよ。』
王『…騎士よ。此奴の首をはねろ‼︎今すぐに‼︎』
王『…騎士…?』
そんな王の命令に応じる者は一人としていなかった。
当然だろう。
だって。
ひ『騎士?騎士ならさっき僕が殺したよ。』
王『…は?』
ひ『お前程度の奴に騎士が負けただと?そう、思ってるよね。』
王『…』
ひ『弱かったよ。彼奴。』
ひ『ていうかさぁ、自らの手でやろうとしないなんてさぁ…もしかして王様、僕のことビビってる?』
王『びッッッッ⁈ビビっているわけが無いだろうッッッッ‼︎⁈⁈』
王はそういい、ひとらんらんの首元めがけて突進した。
完全に、不意に。
普通の者ならば避けきれず、首を切断されるであろう。それくらい、素早く、重い一撃。
だが。
ポタッ…
?『ゴフゥゥゥッッッッッッッ⁈』
王『な、何故だ…?』
そこには「無傷」のひとらんらんと、
「血に塗れた」王が立っていた。
王『何故ッッッッ…なぜ…』
ドサッ…
…ハハッ
ひ『アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ⁈』
狂った様に笑う彼。
その姿はまさに
「復讐鬼」。
そんな言葉が、彼に一番似合うだろう。
ひ『人を殺めた…殺めてしまった…。』
父との約束を、守れなかった。
僕は…俺はもう…
復讐鬼『あの頃には戻れない…』
…
………
復讐鬼『…』
ひとらんらんは…いや、復讐鬼は、一人で静かに立っていた。
血に塗れた手で握っているのは、聖なる刀。
人を、救うための刀。
だが今はもう、
「呪われた」刀。
王の、復讐鬼の憎しみが入った、
『呪われた』刀。
スッ
その刀を、復讐鬼は自分に向けた。
父との約束を守れなかった復讐鬼は、自殺する
はずだった。
カキンッ…
…はずだったが、何者かのナイフで遮られた。
復讐鬼『…?』
何故。
此奴らが?
?『ふぅ…』
ゾ『ギリギリセーフッ‼︎フーン‼︎プロ結果やな‼︎』
何故。
なぜ、
グ『お前を、救いにきた。ひとらんらん。』







