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「お前ら全員こっちだよな?」
とおるさんとはじめさんが来るかもしれないので、一応きいておく。
「おう」
「なんだ、忘れたのか?」
「一応確認しただけだよばーか」
金田一が横にいたのでふと、でっけぇなぁ…と思いながら、少し笑ってそう言うと、金田一はむっと眉をひそめた。
「ばか言うな」
「ん”ふっ」
テンポよく弾む会話に、影山が吹き出した。
「影山!おい笑うな!!」
「っ…ふっ」
「国見まで…!」
やーいやーい、と言うようにケラケラと笑いながら少し足をはやめた。
そんなとき、もちろん俺も含め三人とも、こんな小さなことでも幸せが溢れていた。
「くにみちゃん、そのひとだ、れ…?」
「おにいさんたち、あきらのともだちか?」
そういう二人は、心配そうにこちらを見つめている。
「あ、とおるさんとはじめさん…」
そう声を放つと、二人の肩の力が少し抜けたような気がした。
「?…国見、こいつら誰だ?」
「小学生…低学年だな?」
影山と金田一は、不思議そうな顔をしている。
「おいかわとおるです!」
「いわいずみはじめだ」
「影山飛雄…です、?」
「き、金田一勇太郎です!」
「国見英です」
それは知ってる、と言いたげな目でこちらを見てくる四人。
それが面白くて、思わず吹き出してしまった。
「ふっあははっ、誰かはせめてつっこめよ…w」
「っふ、だな!」
「…??」
あー、影山…わかってないなこれは…
そして、2人の自己紹介がはじまった。
まずははじめさんが始める。
流石…前からコミュ力おばけっぽいなとは思っていたが、本当だったとは。
「かげやまときんだいち!よろしくな!」
「よろしくお願いします!金田一勇太郎です!」
「影山です、いわいずみさん、しゃっす」
次にとおるさん。
小学生ながらあの顔…という中々の顔面偏差値ならではの、かわいらしい笑顔で挨拶をしていた。
「とびおときんだいち!よろしくね!」
「よろしくお願いします!金田一勇太郎です!」
「影山です、おいかわさん、しゃっす」
「てか影山は飛雄なのに俺は金田一なんだな…」
そう言って少し肩を落とす金田一。
影山は舐められてるんじゃない?と思ったが口には出さなかった。
…あとは、影山って言いにくいのかどっちか。
「金田一どんまい…」
それが面白くて、少しからかってみた。
「笑ってんじゃねぇよ!」
「ごめんって」
「ったく、どいつもこいつも…」
みんな、すっかり打ち解けたようでよかった。
みんな敬語だけど、もしや俺につられたのか…?だとしたら…申し訳ないというかなんというか…。
「くにみちゃんの…ともだち?」
「はい、あいつらは…俺の友達ですよ」
「…そっか!えへへ、よかったぁ!」
俺が笑って答えると、とおるさんは、にぱっと効果音がつきそうな顔でそう言った。
「んじゃ、おれらはこのへんで、じゃあな!」
それから少し話してから、そう言ってはじめさんが手を振ると、皆が言葉を返し、同じように手を振った。
「ばいばーい!」
小さいので送らなくてもいいか考えたけれど、まだあまり暗くないし、家も近場っぽいのでその心配は脳内から捨てた。
「はーい」
「さよなら、です!」
「じゃあな〜!」
みんな、馴染めてよかった…。
ただ、なんで俺ととおるさんが知り合ったかを言うのを忘れていたことさえ、忘れていた。
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