少女は宇宙へ放り投げられた。たどり着いたのは「FlowerStar」。政府が仕組んだのだ。「絶望を感じさせてやる」そんな思いで放り入れたのだ。そして少女は絶望……しなかった。むしろ喜んだ。何故なら、少女はモンスターの事が大好きだからだ。
昔から本を読むのが好きだった。モンスターの事も本で知った。真実を知った。彼女は「こんなのあんまり過ぎる……モンスターは悪くないのに」そんな考えが少女の今までの「モンスターは地球上全生物の敵」という概念を消していった。
少女はまず、青く光る地に着いた。砂のような感触だ。少し掴むとサラサラと落ちていく。やはり砂のようだ。綺麗な砂、だけど少し不穏な世界を連想させる砂……のようなもの
彼女は気分が更に上がり、奥に見える砦を目指して歩いていく___
___さあ、どのくらいの時間歩いたのだろうか?いつまで経っても砦に近づかない。そう悩んでいると突然声をかけられた。
「こんにちは、ニンゲンさん?」
少女はびっくりして後ろを振り返った。その瞬間、少女が見たのは……一体のスケルトンだった。
「誰なの……?」
「……誰でしょう?」
「……攻撃はしないでね、私別にあなた達のこと敵だと思ってないから」
「そんなの信じられるとでも?」
「思ってないよ」
「一応言っておいただけ」
「はぁ」
まぁ、信じられるわけないだろう。だって裏切ったのは人間なのだから。自分なら信じたくない。
「ねぇ、あなたの名前を教えてくれる?」
「……スフィー」
「スフィー……覚えた」
「あなたの名前は?」
「私の名前は……」
「Mz_Ley」そう言おうとした。けど身体が、本能が、「言ってはダメだ」と語りかけてくるかのように、それを口に出すことが出来なかった。だから少女は……
「Ley」
「Ley……」
「そう、それが私の名前」
とっさに、まだ”人間だった”頃の名前を出した……いや、それ以外発せなかった。
「そうですか……」
「……何をしにここに?」
「……政府に放り出された」
「……それは地球の政府ですか?」
「うん」
「……なんのために」
「それは」
「あなた達を絶滅させるため」なんて、言えるわけが無い。失礼すぎるし、宣戦布告になる。そう考えた少女は
「……今は言えない」
「何故ですか?」
「あなた達に宣戦布告してると同じなんだよ、これは……」
「……なら今は聞かないです」
「いつか、聞かせてくださいね」
「……」
「いつか」……その日が来るのかも分からない、だって時間が来れば死ぬのだ。寿命が短いものもいる。しかもここはモンスターの住む地だ。人間に敵対しているモンスターも多いのだろう。そんな中、「いつか」という言葉を使って約束するなんて……だけど、
「分かってる」
「絶対ですよ?」
「……ええ」
……そう、答えてしまった。それが後々厄介な約束になるとは知らずに…
コメント
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(o^-')bイイネ !