テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
古流斬
2,542
87
チタコロ
323
第三章 はぐれ者編
第二十四話「虚飾の最期」
崩れた街。
虚飾は満身創痍で膝をついていた。
「はぁ……はぁ……。」
目の前には黒のユーマ。
少し離れた場所には、転移から戻ってきたケイト。
もう勝敗は決していた。
ユーマは剣を構える。
「終わりだ。」
虚飾は苦しそうに笑う。
「……何故だ。」
「確かに計画は完璧だった。」
「ケイトを転移で遠ざけた。」
「ラントも封印した。」
「他の防衛軍も分身で足止めした。」
「何故……負ける。」
ケイトは静かに答えた。
「お前は、一つだけ見誤った。」
虚飾は顔を上げる。
「何を……。」
ユーマが一歩前へ出る。
「父さんの想いだ。」
「父さんは死んでも、俺たちに未来を残した。」
「その差がお前の負けだ。」
虚飾は悔しそうに拳を握る。
「古流斬……。」
「英雄気取りの元マフィアが……。」
「最後まで邪魔をするのか。」
ユーマは首を横に振る。
「父さんは英雄気取りなんかじゃない。」
「本物の英雄だった。」
静寂が流れる。
虚飾は最後の力を振り絞り、血液を全身へ巡らせる。
「なら……。」
「道連れだ。」
全身の血液が暴走する。
「ユーマ!」
ケイトが叫ぶ。
虚飾はユーマへ突進した。
「一緒に死ねぇぇぇ!!」
しかし。
ユーマは冷静だった。
夢で創り出した足場を蹴り、横へ飛ぶ。
暗殺術で教わった最小限の回避。
虚飾の突撃は空を切る。
「なっ……!」
着地したユーマは迷わず剣を振るった。
ズバァッ!!
一閃。
虚飾の体が止まる。
「……ああ。」
虚飾は静かに笑った。
「最後まで……。」
「古流斬には……勝てなかったか。」
借り物の肉体は限界を迎える。
ひび割れ。
そして崩壊。
「……これで。」
「終わりか。」
その体は血となって崩れ、風に消えていった。
虚飾、完全消滅。
戦場に静寂が戻る。
ユーマは剣を納め、静かに空を見上げた。
「父さん。」
「俺、ちゃんと守れたよ。」
ケイトはユーマの肩に手を置く。
「ああ。」
「お前の勝ちだ。」
夕日が街を優しく照らしていた。
――第二十五話へ続く。
コメント
1件
わあ…第71話、戦いが終わったね。虚飾の最期、すごく切なかった。「古流斬には勝てなかったか」って言葉に、すべてが詰まってた気がする。ユーマが父さんの想いを守り抜いたこと、確かな勝利だったよね。夢の足場使うとこ、ちゃんと成長してるのが伝わってきてじんわりした。次が待ち遠しいよ…!