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数年前
「わたしね、好きだけど、告白するか迷ってて」
小豆沢が、俺に相談してきたのは、高校3年生の時の話だった
「今は、活動のこともあるし、相手の子も、色々頑張ってて…
今するべきじゃないのかもって」
男の人の気持ちは、男の人の方がわかると思うから、ということらしい。
こういう時、告白されて嫌じゃないか?そう聞かれた
「好意を寄せられることに不快感は覚えない。伝えるだけ伝えて、後のことはその時に考えればいい
そもそも他校なのだから、会うことすら難しい。今のうちに伝えておいた方が、悔いは残らないと思うぞ」
「…!そう、だよね。うん!
わたし、頑張ってみるよ!」
この後も、何か困ったら俺に相談してくれた。白石や彰人に話さないのは、話す必要は特にないと感じていたからだそうだ
でも、もし結婚できるなら、白石に最初に教えたい。と語っていたことは覚えている。
「なぁ、女ってどういうのが1番嬉しいんだ?」
彰人は、私にそう聞いてきた
「え?彰人好きな人いるの〜!?」
おちょくるように聞いた。彰人は
「…わりいかよ」
顔を隠して、照れ臭そうに言った。
…本気なんだ。あの彰人が
「なんでも相談乗るよ!」
「…!あぁ、助かる!」
その後、2人は付き合った。本当に嬉しかった。
結婚と聞いた時だってそう。私のおかげだね!って最後までいじり倒してやった。
気がかりだったのは、冬弥だった。
…ずっと、遠くを見ているような目をしている気がしたから
私/俺は何も悪くないと思う
わかってる
でも、それでも、冬弥/白石への罪滅ぼしができるなら
私/俺のこの気持ちが、埋まるなら
「あ”ッ…!//…ッ、♡〜〜〜//」
枕に突っ伏した白石が、体を震わせ、声を上げた
「…ッ悪い白石。もう一回いいか」
息を荒げた俺は、白石に問いかけた
「…うん、いいよ
私もまだ足りないから」
白石は、俺に足を絡め、手を首に回して言った。
俺は、白石をもう一度、汚れたシーツに押し倒した。
こんな関係、きっと間違っているだろう
そんなこと、どうだっていい。この寂しさを埋めるために、俺たちはただ求め合うだけだ